伊藤園の主力ブランド「お~いお茶」が、グローバルアンバサダーを務める大谷翔平選手との提携により、国内外で顕著な売上増加とブランド認知度の向上を達成しています。特に、MLBおよびロサンゼルス・ドジャースとのパートナーシップ契約締結以降、その効果は一層明確になっています。日本を代表する飲料ブランドと世界的なアスリートの強力なタッグが、市場に大きなインパクトを与えている状況です。
海外市場での顕著な成長:米国西海岸から全国へ
2024年1月、伊藤園は大谷翔平選手とのグローバルアンバサダー契約に加え、MLB及び大谷選手が所属するロサンゼルス・ドジャースとのパートナーシップ契約を締結しました。この契約以降、海外市場における「お~いお茶」の伸長が特に顕著です。2024年6月3日の決算説明会で、本庄大介社長は「ドジャースの本拠地である米国・西海岸で『お~いお茶』の伸長率が非常に高くなっている」と述べました。大谷選手のデザインをあしらったティーバッグも売上を伸ばし、日系・アジア系スーパーだけでなく、一般的なスーパーマーケットでも回転率が向上していることが確認されています。伊藤園は今後、米国西海岸でのドリンクとリーフのセット提案を強化すると共に、「健康」を前面に押し出し、全米の大都市周辺でのさらなる市場拡大を目指す戦略です。
大谷翔平選手の投げる姿がデザインされた「お~いお茶 緑茶 2025年夏限定ボトル」。
国内売上とブランド認知の大幅向上
国内市場でも大谷効果は絶大です。2024年3月3日に数量限定で発売された「お~いお茶 大谷翔平ボトル」は、3月単月で前年同月比5%増の販売数量を記録しました。これは、飲料市場全体が前年を下回る中で達成された異例の伸びであり、大谷選手の持つ影響力の大きさを物語っています。
さらに、「お~いお茶」のマインドシェア(想起率)も大きく向上しました。全国15~79歳の男女3000人を対象とした調査では、市販の緑茶飲料ブランド名に関する「お~いお茶」の回答率が、2024年3月の26.8%から同年3月には35%へと上昇。ブランドの認知度が飛躍的に高まったことが示されています。
また、購買頻度の高いヘビーユーザー層も拡大しました。1月のパートナーシップ契約締結以降、「1週間に2本以上購入して下さる方」の割合が11.2%から16.3%に上昇しており、大谷選手が新たな顧客層を獲得し、既存顧客の購買意欲を高めていることが明確に表れています。
伊藤園の本庄大介社長が、大谷翔平選手との提携効果について決算説明会で語る様子。
さらなる勢い加速へ:2025年夏限定ボトルの展開
この好調な勢いをさらに加速させるため、伊藤園は2024年6月30日には、最盛期の売上拡大に向けて「お~いお茶 大谷翔平ボトル」(2025年夏ver.)を数量限定で発売しました。この限定ボトルは、大谷翔平選手の象徴的なプレースタイルである「投げる・打つ・走る」の3つのデザインをそれぞれ異なる茶種にあしらっています。「お~いお茶 緑茶」には“投げる”姿、「同 玄米茶」には“打つ”姿、「同 ほうじ茶」には“走る”姿がデザインされており、ファンにとってはコレクションとしても魅力的な商品となっています。
まとめ
大谷翔平選手と伊藤園「お~いお茶」のグローバル提携は、国内外の市場で目覚ましい成功を収めています。売上数量の増加、マインドシェアの向上、ヘビーユーザー層の拡大といった具体的な数字が、この戦略的パートナーシップの大きな効果を裏付けています。特に米国市場での成長と、国内での限定ボトルのヒットは、大谷選手のブランド力が「お~いお茶」のブランド価値を世界規模で引き上げていることを示しています。今後も両者の協力関係が、飲料業界における新たな成功事例として注目されるでしょう。