オジー・オズボーンさん、76歳で死去:「メタルの帝王」伝説の生涯を振り返る

「メタルの帝王」として世界的に知られるロック歌手、オジー・オズボーンさん(本名ジョン・マイケル・オズボーン)が22日、76歳で死去したと英BBCなどが報じました。家族が声明を発表しましたが、死因は明らかにされていません。彼の訃報は、世界中の音楽ファンに深い悲しみをもたらしています。

ブラック・サバスの創始とヘビーメタルの確立

英バーミンガム出身のオズボーンさんは、ヘビーメタルの先駆けとされるバンド「ブラック・サバス」のボーカリストとして活躍しました。1970年の初アルバム以降、攻撃的なギターサウンドと黒魔術、悪魔的なテーマを扱ったおどろおどろしい歌詞で一躍人気を獲得。特に2枚目のアルバム「パラノイド」は全英ヒットチャートで1位となり、同名曲も大ヒットを記録しました。彼らはハードロックの隆盛に多大な貢献を果たしました。

ソロでの成功と象徴的なパフォーマンス

1970年代後半にブラック・サバスを脱退後、オズボーンさんはソロ活動を開始。1stアルバム「ブリザード・オブ・オズ」とその収録曲「クレイジー・トレイン」が大ヒットし、その名を不動のものとしました。ライブではコウモリを食いちぎるなどの奇抜なパフォーマンスでたびたび物議を醸し、揺らぎを伴う金属的な歌声と相まって、その「悪魔的」なイメージを強く印象付けました。かつて本紙のインタビューで「人々はホラー映画がヒットするように、恐怖を好むのだ」と語っていたことは、彼の特異な世界観を物語っています。

ヘビーメタルの象徴、伝説のロック歌手オジー・オズボーン氏のポートレートヘビーメタルの象徴、伝説のロック歌手オジー・オズボーン氏のポートレート

イメージの変化と晩年の活動

1990年代にはブラック・サバスとしての活動を再開。さらに2000年代には、自身の家族を追ったリアリティ番組「オズボーンズ」が人気を博し、型破りながらもコミカルな一面を見せることで、従来の「悪魔的」なイメージを覆し、新たなファン層を獲得しました。

2020年にはパーキンソン病を患っていることを公表。病と闘いながらも音楽活動を続け、今月5日には故郷バーミンガムで、歌手としてのキャリアを締めくくる最後のコンサートを行ったばかりでした。

「メタルの帝王」オジー・オズボーンの遺産

オジー・オズボーンさんは、その破天荒な言動と革新的な音楽性で、ヘビーメタルというジャンルを確立し、世界中のロックシーンに計り知れない影響を与え続けました。型にはまらない生き方と音楽への情熱は、多くのアーティストやファンにインスピレーションを与え、その功績は「メタルの帝王」として永遠に語り継がれるでしょう。

参考資料