7月23日昼、石破茂首相が8月末までに退陣を表明する意向を固めたとの報道が流れました。7月20日に投開票が行われた第27回参議院議員通常選挙において、自民・公明の与党が過半数を下回り歴史的大敗を喫した後の出来事です。当初、石破首相は続投する意向を示していましたが、この退陣報道は政界に大きな波紋を広げました。
参院選大敗後の石破首相への辞任要求とネット世論の複雑化
参議院選での歴史的な敗北を受け、インターネット上では石破首相に対し、「これ以上総理の椅子にしがみついて何がしたいんだ」「今すぐ辞めて」「醜態さらしすぎ」といった厳しい辞任要求の声が多数上がりました。与党支持層からも首相の責任を問う声が相次ぎ、続投は難しいとの見方が強まっていました。
石破茂首相の不機嫌な顔
「#石破やめるな」ハッシュタグの台頭とその背景
しかし、一方でX(旧Twitter)では「#石破やめるな」というハッシュタグがトレンド入りし、首相の続投を求める声が意外な形で広がりを見せました。このハッシュタグをつけた投稿には、「この人が辞めてしまったら、次は高市や小泉?冗談でしょ!」「高市早苗だけは嫌だ」「まあ高市か小泉かって言われたら、とりあえず石破だよね」など、次期首相候補への懸念から石破首相の続投を望む意見が多く見られました。
さらに、「がんばれ石破、麻生は早よ引退しろ」「麻生っていつまで居座る気?」「辞めるのは、石破ではなくて麻生だと思うんやけどなぁ」といった、自民党の重鎮とされる麻生太郎議員への不満が、結果的に石破首相への応援につながっているとの指摘もあります。ある一般紙政治部記者は、「2009年の都議選で自民党が大敗した際の首相は麻生さんで、当時石破さんから退陣を求められた経緯がある。麻生さんとしては私怨があってもおかしくない状況だ」とコメントしています。麻生氏が周囲に石破氏の続投を認めないと話しているとの報道もあり、党内の権力闘争の側面も浮き彫りになりました。
日米関税交渉合意がもたらした「石破やめるな」の声
「#石破やめるな」の声に追い風となったのが、退陣報道と同じ23日朝に報じられた「日米関税交渉において相互関税15%で合意」という実績です。この交渉結果に対し、ネット上では「日米関税交渉はうまくやった方なのでは。続投でいいと思う」「トランプ相手に本当によくやった。信用されている証。トランプに信用された石破政権を下ろしてはならない」といった好意的な評価が寄せられました。これまで国民から「辞めろ」と厳しい声が向けられてきた石破首相ですが、日米交渉の成果が、ここにきてまさかの「石破やめるな」という世論を形成する大きな要因となったのです。
当初の退陣意向報道から数時間後、石破首相は「退陣を否定し続投意欲」を示す報道がなされました。日米関税合意の着実な実施に取り組む意欲を示しているとされる石破首相。今回評価された関税交渉の合意が、首相の「退陣の花道」となるのか、あるいは「続投の強力な根拠」となるのか、今後の政局の動きが注目されます。
参考文献
- Yahoo!ニュース / 週刊女性PRIME: 石破茂首相、参院選大敗で「辞任」報道も麻生太郎議員への“私怨”が「#石破やめるな」の援護射撃、日米関税交渉合意が“続投”への追い風に (https://news.yahoo.co.jp/articles/204483885b578aabdf89f1e037ecafd8e699f7fa)