23日、参院選で大敗を喫した石破茂首相は、自民党の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相という党内重鎮3名と会談しました。この会談後、一部メディアで「石破首相が退陣する意向を固めた」との報道が流れましたが、石破首相自身はこれを強く否定。この“退陣報道”を巡る経緯と、それが引き起こしたメディアや世論の波紋について詳報します。
参院選大敗後の緊迫会談と首相の声明
23日、参院選で大敗を喫した石破茂首相は、自民党の麻生太郎最高顧問、菅義偉副総裁、岸田文雄前首相と約1時間にわたり会談し、参院選の結果に対する強い危機感を共有しました。
会談後、石破首相は記者団の取材に対し、「私の出処進退につきましては、一切話は出ておりません。報道されているような事実は全くございません」と、一部メディアで報じられた「退陣」の噂を明確に否定しました。
参院選後の会談を終え、記者団に対応する石破茂首相
大手メディアによる「退陣」誤報と世間の反応
石破首相の否定に先立ち、同日午前中には『毎日新聞』が「石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選総括踏まえ」と報じ、また『読売新聞』も同見出しの“号外”を発行しました。
これに対し、インターネット上では「この新聞アホやわ とばし記事を第一面かよ」「号外で飛ばし記事書いてハズレたの!?」「号外で誤報とは 誤報訂正の号外が必要ですね」「どうすんのこれ……」といった批判が殺到。メディアの報道姿勢に対する不信感が顕在化しました。
「誤報号外」の異例な流通と報道の信頼性
その後、両紙は石破首相が退陣を否定したことを速報として伝え、今回の「退陣報道」が“誤報”であったことが判明しました。特に『読売新聞』が号外まで発行したことを踏まえると、メディアの信用失墜は避けられない状況です。
この“誤報号外”は、大手フリマアプリ『メルカリ』に出品され、「参院選での大敗を受け、石破首相が退陣を表明し新聞記事。※石破首相が続投を表明したため、前代未聞の誤報号外となる可能性あり」「『石破首相退陣へ』の号外に関しては前代未聞の誤報の可能性があり、非常に珍しいものとなっております」と、皮肉にも“誤報”であることが付加価値としてつけられる事態に発展しています。首相の進退という極めて重要な局面での大誤報は、報道機関としてその責任と信頼性が厳しく問われる結果となりました。
今回の石破首相退陣報道を巡る騒動は、政治の重要局面におけるメディア報道の正確性と信頼性に大きな課題を突きつけました。情報が瞬く間に拡散する現代において、報道機関は事実確認の徹底と責任ある情報提供が不可欠です。国民が信頼できる情報源にアクセスできることの重要性が、今回の事例を通じて改めて浮き彫りとなりました。
引用元:Yahoo!ニュース