山崎怜奈、参政党批判で波紋拡大:選挙特番での発言と激化するSNS論争

7月20日投開票の参院選で躍進した参政党に対し、慶応大卒でタレントの元乃木坂46・山崎怜奈氏(28)が、東海テレビの選挙特番『選挙ONE』で痛烈な批判を展開し、大きな波紋を呼んでいます。放送から数日が経過した現在も、山崎氏はSNS上で賛否両論の激しい議論と、一部からは過度な非難にさらされています。この騒動は、公共の場での政治的意見表明のあり方について、改めて社会に問いかけるものとなっています。

参政党の躍進と山崎氏の核心的批判

今回の参院選で、神谷宗幣代表(47)率いる参政党は1議席から14議席へと大幅に議席を増やし、非改選の1議席と合わせて計15議席を確保しました。外国人政策の見直しなどを訴える「日本人ファースト」を掲げ、支持層を拡大した一方で、選挙期間中には「外国人が優遇されている」といった候補者の発言を巡り、排他的だとする抗議も多数寄せられていました。

『選挙ONE』では神谷代表との中継インタビューが行われ、終了後に感想を求められた山崎氏は、「(神谷氏は)“叩かれたことによって後半、票が伸びた”って仰っていましたけど、それは言い訳ではないかと。確かにそういうところも一理あるのかもしれないけれども、なんか嫌ですよね。率直に心証が悪いな」と、神谷代表の発言の真意に疑問を呈しました。

さらに、山崎氏は参政党が公約に掲げた「月10万円の子育て給付金」の背景について、神谷代表が街頭演説で述べた「ウチの子は元気だから病院行かない。医療費無償化関係ない」という発言にも言及。「“私の子供は元気だから病院なんて行かない”みたいな話を政治家がするって。どちらかといえば数が少ない人、声が小さい人、力が弱い人とか(に目を向けるべき)。論理もルールも無視した大声のような力技みたいなもので、“見ない見ない”ってなっちゃうのはちょっとその世界どうなんだろう」「自分のことしか見えていないのかなっていう風に思ってしまいますね」と、弱者への配慮に欠ける姿勢に強い違和感を示しました。

山崎怜奈氏のインスタグラム投稿写真:選挙特番での発言を巡る波紋山崎怜奈氏のインスタグラム投稿写真:選挙特番での発言を巡る波紋

SNSでの反響と誹謗中傷の過熱

山崎氏の参政党や神谷代表への発言は、番組終了後にX(旧Twitter)で切り抜き動画として拡散され、「まっとうな意見」として評価する声が上がる一方で、「完全に自分の感想だけだし心象悪いわ」といった批判的な意見も多数寄せられました。

7月24日時点でも、Xでは「#山崎怜奈さんを支持します」というハッシュタグと共に擁護の声が上がる一方で、山崎氏がコメント欄を閉鎖しているため、批判的なユーザーは「引用リポスト」を用いて「コメ欄封鎖して炎上から逃げようと必死で草w」などと攻撃を続けており、中には差別用語を用いた誹謗中傷も見受けられます。さらに、ライフスタイル誌『Hanako』(マガジンハウス)編集部のX投稿にまで、山崎氏の連載に関する投稿とは無関係な誹謗中傷めいたリプライが執拗に送られるなど、批判は過熱の一途を辿っています。

参政党 神谷宗幣代表の選挙活動の様子参政党 神谷宗幣代表の選挙活動の様子

コメンテーター発言の適切性を巡る議論

選挙期間中には、テレビ出演者の政治的な意見が物議を醸す例が他にもありました。例えば、7月12日に放送された『報道特集』(TBS系)では、参政党が掲げた「日本人ファースト」を検証する特集が組まれ、番組終了間際にキャスターの山本恵里伽アナウンサー(31)が「排外的・差別的な言葉がSNSで拡散される現実に戸惑いを感じる」「自分の一票が身近な人たちの暮らしを脅かすものになるかもしれない」と意見を述べました。これに対し参政党は「偏向報道を受けた」と番組内容に反発し、一部の視聴者が山本アナの写真が掲載されたTBSのインスタグラム投稿に誹謗中傷のようなコメントを書き込む事態となりました。

この山本アナの騒動は、「いち局員が公共の電波で個人的意見を述べるのは適切か」という議論を呼び起こしました。山崎氏に対しても「主観で話すな」「偏向的だ」といった批判が見られますが、政治ジャーナリストは「山崎さんの場合は幅広く活動する一人のタレントであり、コメンテーターとして番組に招かれたわけですから、むしろ率直な意見を述べることを求められていると考えます。山崎さん個人に対する攻撃は適切とは言えないのではないでしょうか」と指摘しています。

今回の山崎怜奈氏の一連の騒動は、公の場で政治的意見を述べるコメンテーターの役割と、それに伴う視聴者の反応、そしてSNS上での議論の健全性について、改めて社会全体で深く考えるきっかけとなっています。建設的な議論の場が失われ、個人への攻撃に転じる現状は、民主主義社会にとって望ましいものではなく、表現の自由と責任、そして健全なメディアリテラシーの重要性を浮き彫りにしています。


参考文献