【北京春秋】消費者の権利保護

[ad_1]

 人権派弁護士の活動を意味し、中国で政治的な響きまで帯びてデリケートだった「維権(権利保護)」という言葉が、最近では「消費者の権利保護」との文脈で、官製メディアにもよく登場している。

 実際、中国で消費者とサービス事業者の関係は微妙だ。「お客さまは神様」などという発想は両者ともない。対等な立場ですらなく事業者の側が高圧的に出るケースもみられる。

 それを実感させられたのが、賃貸不動産物件をめぐる大家と店子(たなこ)の関係だ。

 以前暮らしていたことがある北京の外国人向けマンションで今年、すべての居住世帯を一定期間内に退去させる方針が突然通告される騒ぎがあった。日本人家庭を含め、外国人の世帯は次の物件探しに奔走させられていた。

 所有者が不動産相場の動向をにらみ、マンションの建物全体を一括売却しようと考えたようだ。北京では、こうした不動産所有者の思惑に居住者が振り回される「大家ファースト」が横行している。

 ただ、問題のマンションは今、涼しい顔で新規の入居者を受け入れている。建物の売却交渉が難航したのか、所有者は元の賃貸形式を継続した。追い出された住民の金銭的、時間的な損害を補償する「維権」の動きはあるのか。(西見由章)

[ad_2]

Source link