日米相互関税交渉で日本が「勝利」か?橋下徹氏が赤沢担当相の「粘り強い交渉」を絶賛

元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏(56)が、24日放送のTBS系「ゴゴスマ~GOGO!smile~」に生出演し、相互関税を巡る日米交渉で日本側の窓口を務めた赤沢亮正経済再生担当相の功績を高く評価し、拍手を送りました。困難を極めたトランプ政権との交渉を粘り強く続け、一定の妥結に導いた赤沢氏の手腕に注目が集まっています。

日米相互関税交渉の画期的な合意内容

当初25%が提示されていた日米相互関税は、来月1日から自動車を含む品目で15%に引き下げられることで合意に至りました。この重要な税率見直しに加え、合意には以下の主要な条件が含まれています。

  • コメの輸入量を75%増加
  • 防衛装備品の購入額を5,000億円増の2兆5,000億円に拡大
  • ボーイング社の航空機約100機購入
  • 大豆、トウモロコシなど約1兆2,000億円分の米国産農産物購入

一方で、鉄鋼・アルミニウムの税率は50%で維持されることになりました。厳しい条件が課されつつも、トランプ大統領とのタフな交渉が一応の決着を見たことは、日本にとって大きな成果と言えるでしょう。この合意は、赤沢氏が計8回もの訪米を重ね、その都度、粘り強い交渉を続けた末につかみ取ったものです。

赤沢担当相の粘り強い交渉術:8度の訪米と「アポなし」交渉

赤沢担当相は、交渉のために実に8度も渡米しました。中には、出発時に日時詳細が決まっていない「アポイントなし」の訪米もあったと報じられています。これに対し、橋下氏は「アポイントなしで行ったとかもあるんでしょう?」「(トランプ氏の)MAGAって帽子をかぶって、閣下って言ったりして批判されましたけど、それでも交渉って好きか嫌いか、感情的な面もある。ある意味そういう関係を作りながら、ここで落とせたというのは、赤沢さんは立派に仕事をして下さったなと思いますね」と述べ、その交渉手腕に改めて称賛を送りました。特に、トランプ氏のキャッチフレーズである「MAGA(アメリカを再び偉大に)」の帽子をかぶり、親近感をアピールした初期の戦略が、感情的な側面を持つ交渉において有効だったと分析しています。

日米関税交渉について見解を述べる元大阪府知事の橋下徹氏日米関税交渉について見解を述べる元大阪府知事の橋下徹氏

「完全アウェー」での対峙:橋下氏が語るトランプ流交渉術

交渉の様子を捉えた大統領次席補佐官のSNS投稿写真からは、赤沢氏以外の日本側官僚の姿がほとんど見られず、周囲を米国サイドに固められた「完全アウェー」の状態であったことが見て取れます。橋下氏はこの状況を「周り、自分の側近で固めているんですよ?赤沢さん、1人になっているんですよ?トランプさんの不動産でならしてきたビジネスマンのやり方」と解説し、トランプ氏流の強硬な交渉スタイルが発揮されていたことを示唆しました。

ある写真には、トランプ氏が引き締まった表情で赤沢氏を見下ろしながら握手し、それに対し赤沢氏も負けじと目を見て対峙している様子が写っています。橋下氏はこの写真に触れ、「見て、この顔。190センチ近く(の身長)で、これやられるんですよ?(赤沢氏も)負けないぞと。15%でよく…言えばもうちょっと下げろとか、コメの問題とかいろいろあるけど、よくここで頑張りましたと、僕は言いたい」と語り、厳しい状況下での赤沢氏の奮闘ぶりを称えました。

米国での日米関税交渉に臨む赤沢亮正経済再生担当相米国での日米関税交渉に臨む赤沢亮正経済再生担当相

まとめ:赤沢氏の外交手腕が示した日本の存在感

今回の相互関税交渉における妥結は、赤沢経済再生担当相の粘り強い交渉と、相手の心理を読み解く戦略が功を奏した結果と言えるでしょう。特に、トランプ大統領という個性的なリーダーを相手に、8度もの訪米と「アポなし」交渉、さらには「MAGA」帽子の着用といった独自の接近法は、単なる事務的な交渉を超えた人間関係の構築にも寄与した可能性を示しています。橋下徹氏が絶賛したように、赤沢氏の外交手腕は、国際舞台における日本の存在感を示す大きな一歩となりました。

参考文献