トランプ米大統領は24日、連邦準備理事会(FRB)本部を訪問し、ホワイトハウスが費用をかけ過ぎとして批判を強めているFRB本部の改修現場を視察した。改めて利下げを求める一方で、パウエルFRB議長を解任するつもりはないと明言した。
トランプ氏は記者団に「パウエル氏に金利を引き下げてもらいたい」と語った。トランプ氏の隣で、パウエル氏は無表情のままだった
トランプ氏はその後、パウエル氏の解任について「大きな動きであり、必要だとは思わない」と言明した。ただ、パウエル氏の後任候補として3人程度が念頭にあると述べた。
パウエル氏は通常、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催前の木曜日には他のFRB高官らとの電話会議を行っている。次回FOMCは29-30日に開催される。
トランプ氏はここ数カ月、パウエル氏を批判し、繰り返し利下げを要求している。パウエル氏解任の可能性を示唆する一方で、解任する計画はないとも述べている。ホワイトハウスはまた、FRB本部の改修費が予算を超過しているとして、不適切な管理や不正の可能性を指摘している。
トランプ氏が記者団に、FRB本部の改修費用が現在31億ドルと見積もられていると述べたのに対し、パウエル氏は「それは承知していない」と否定した。
パウエル氏は3つ目の建物が改修費用に含まれるとトランプが誤解しており、この建物は実際にはすでに5年前に改修が完了しており、今回の改修対象ではないと説明した。
トランプ大統領は建築現場の外でパウエル議長との会談に「緊張感はなかった」とし、金利について実りある議論ができたと語った。また、FRBの改修計画は複雑で費用が「制御不能」だが、完了してほしいと述べた。
改修事業は2022年半ばに始まり、27年までに完了する予定。28年3月の入居が計画されている。