最新のギャラップ調査が示すように、ドナルド・トランプ前米大統領の第2次政権における支持率は、発足直後の1月時点から10ポイント下落し、最低水準を記録しました。この数値は、彼の第1期政権時の最低支持率をわずかに上回るに過ぎず、第2四半期の平均支持率は40%と、過去の大統領と比較しても低い水準にあります。この支持率の動向は、トランプ政権が現在直面している多様な課題や政策、そして世論の反応を浮き彫りにしています。
支持率の現状と「MAGA」運動の影響
ギャラップの調査によると、ドナルド・トランプ氏の第2次政権における平均支持率は42%で、これは第1期政権全体の平均支持率である41%をわずかに上回っています。しかし、就任から6カ月が経過した現在、支持率は下降傾向にあり、特に4月2日に発表された「解放の日」関税がその下落に拍車をかけました。この関税は米国のほぼすべての貿易相手国に広く課されたものですが、トランプ氏はその後、その大部分を撤回しています。
一方で、NBCが実施した別の調査では、「Make America Great Again(MAGA)」運動を支持する有権者の割合が急増していることが示されています。3月7日から11日に実施された調査では、有権者の36%が自身をMAGA運動の一員だと感じていると回答しました。この割合は、3月調査時の平均23%や2024年調査時の27%を上回るものであり、特定の支持層におけるトランプ氏への根強い支持があることを示唆しています。
過去の政権との比較
トランプ氏の第2次政権の支持率を比較すると、ギャラップの調査に基づくと、2021年7月6日から21日にかけてのバイデン政権の平均支持率は50%でした。これは、同時期のトランプ政権の支持率と比較して、バイデン政権がより高い国民の支持を得ていたことを示しています。このように、歴代政権との比較は、現在のトランプ政権が直面する国民の信任という課題をより明確にします。
第2次政権が直面する「最大級の危機」
トランプ氏の大統領就任から6カ月が経過し、第2次トランプ政権は現在、最大級の危機に直面しています。その一つが、司法省がジェフリー・エプスタインに関する調査資料を公開しないと判断したことで、彼の支持基盤の一部が離反しつつあることです。エプスタイン問題が表面化する以前には、米軍の攻撃計画がアトランティック編集長のジェフリー・ゴールドバーグに漏洩した事件が、第2次政権にとって初の深刻な危機と見なされていました。これらの問題は、政権の透明性と信頼性に大きな影を落としています。
ドナルド・トランプ元米大統領が演説する様子。支持率の低下と第2次政権が直面する課題を象徴。
第2次政権の主要な政策と論争
第2次トランプ政権では、支持率の変動と並行して、様々な重要な政策決定や論争が展開されてきました。外交面では、イランの核施設に対する軍事攻撃が開始され、最終的にイランとイスラエル間の停戦合意へとつながるなど、中東情勢に大きな影響を与えました。
国内政策では、2017年に導入した減税措置の延長や、国境管理の強化を含むトランプ氏の主要な公約を実現する政策法案が議会で可決されました。しかし、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化省と連携して連邦職員の大幅な削減を目指したことや、大規模な強制送還政策は、多くの法的対応を招き、第2次政権を特徴づける物議を醸す取り組みとして注目されています。これらの政策は、賛否両論を巻き起こし、政権の支持率にも影響を与え続けています。
結論
ドナルド・トランプ氏の第2次政権は、就任からわずか半年で、支持率の低迷、ジェフリー・エプスタイン問題に代表される危機、そして国内外における重要な政策決定や論争に直面しています。特定の支持層からの根強い支持がある一方で、全体的な支持率は歴代政権と比較しても低い水準にあり、政権運営の複雑さと多岐にわたる課題を示しています。これらの動向は、今後のトランプ政権の方向性、そして米国政治の未来を占う上で重要な指標となるでしょう。
参考文献
- Gallup Polls
- NBC News Surveys
- Yahoo! News Japan (Original Article Source)
- Andrew Harnik/Getty Images