在日韓国人が設立した京都国際高校が、日本の高校野球の最高峰である「全国高等学校野球選手権大会」(夏の甲子園大会)に、昨年の優勝に続き2年連続4回目の出場を決めました。これは、京都の野球界にとって注目すべき快挙であり、昨年の「奇跡の優勝」を経験したチームが、再び甲子園の頂点を目指すという大きな期待が寄せられています。
京都大会決勝での激闘と逆転劇
京都国際高校は、71チームが参加した第107回夏の甲子園京都大会において、決勝で強豪・鳥羽高校を4対3で下し、見事出場権を獲得しました。この決勝戦は、両チームの意地がぶつかり合う激しい展開となりました。
京都国際高校は、先発したエース左腕の西村一毅選手(3年)が奮投するも、8回まで1対3と相手にリードを許す苦しい状況にありました。しかし、勝利への執念を見せた8回裏、二死二・三塁のチャンスで1番打者の長谷川颯選手(3年)が2点タイムリーヒットを放ち、土壇場で同点に追いつきました。そして、3対3で迎えた9回裏の攻撃。一死三塁の絶好のチャンスで、猪股琉冴選手(3年)がライトとセンターの間を抜ける劇的なサヨナラヒットを放ち、熱戦に終止符を打ちました。
試合後、主将の倉橋翔選手(3年)はインタビューで、「甲子園連覇に向けてここで満足せずに気合いを入れ直したい」と語り、すでに全国の舞台を見据えていることを示しました。
甲子園を目指す高校球児のイラスト
伝統とルーツを刻む校歌、そして学校の歴史
勝利の瞬間、わかさスタジアム京都には、京都国際高校の校歌が響き渡りました。選手たちはグラウンドの中央に整列し、感無量の表情で校歌を斉唱。その校歌は「東海の海 渡りし 大和の地は/偉大な我らが祖先 古の夢の場所」と、韓国語の歌詞で始まることで知られています。
京都国際高校の前身は、1947年に在日韓国人によって設立された民族学校「京都朝鮮中学」です。1990年代に生徒数が急減したことを受け、2003年に現在の校名に改称し、日本の学校としての認可を受けました。翌2004年には現在の形で開校し、現在では約160人の在校生のうち約70%が日本人となっています。
1999年に創設された同校の野球部が全国レベルで頭角を現したのは比較的最近のことです。2021年に初めて甲子園大会に出場し、ベスト4という快進撃を見せました。翌2022年は本大会1回戦で涙をのみましたが、昨年は東京の強豪である関東第一高校を延長戦の末に破り、劇的な優勝を飾っています。
まとめ
多様なルーツを持ちながら、日本の高校野球界の頂点を目指し続ける京都国際高校。2年連続となる夏の甲子園出場は、彼らのたゆまぬ努力とチームの結束力の証です。昨年果たした「奇跡の優勝」に続き、今年は連覇という新たな歴史を刻むことができるのか、来月5日に開幕する全国の舞台での彼らの活躍に、全国の高校野球ファンからの大きな注目が集まっています。
[出典] https://news.yahoo.co.jp/articles/da66da28284acafe60befb3d0437d24a19d647a2