静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)に持ち上がった「東洋大学卒業」とする学歴詐称疑惑が、市を混乱の渦に巻き込んでいます。就任から約2ヶ月という短期間でこの問題に直面している田久保市長は、28日の定例記者会見で、自身の進退を7月31日に明らかにすると表明しました。市民からはこの問題に関してすでに2800件もの意見が寄せられ、その大半が苦情であり、市政運営にも深刻な影響が出ています。
学歴疑惑と市長の声明の変遷
田久保市長は、当初今月中に辞職する意向を示していましたが、28日の会見では「辞めないこともあるのか」との質問に対し、「31日にしっかり説明したい」と述べるに留まり、言動に不確実性が生じています。遡ること7月2日の会見では、学歴について「卒業ではなく除籍だった」と事実を修正しており、これが疑惑の火種となりました。この発言以降、市民からのメールや電話での問い合わせが急増しています。
混迷する市政と関係者の声
市長の学歴問題は、伊東市政全体に混乱をもたらしています。通常、この時期は9月市議会に向けた今年度補正予算案の編成や、来年度予算案の準備が進められる時期ですが、企画部長からは「市政の混乱でヒアリングもできない状態」との切実な声が上がっています。さらに、退職した教育長の後任も未だ決定しておらず、教育委員会からは28日、田久保市長に対し「この状況を一刻も早く収束させ、正常な教育を取り戻してほしい」との要望書が手渡されました。
伊東市役所で記者会見を開き、学歴詐称問題に関する進退を31日に表明すると述べた田久保真紀伊東市長。市政の混乱が続く中での発言。
市民の反応と議会の対応
市民からの意見は、すでに2800件に達しており、その多くが市長への不満や市政への懸念を示すものです。これを受け、市議会は真相解明のため調査特別委員会(百条委員会)を設置。市長に対し、「卒業証書」とされる書類の提出や百条委員会への出頭を求めましたが、市長はいずれも拒否しています。このような状況下でも、田久保市長は辞職した上で改めて市長選に立候補する考えを示しており、今後の展開が注目されます。
結論
田久保真紀伊東市長の学歴詐称疑惑は、市民の不信感を招き、伊東市政に深刻な停滞をもたらしています。31日の進退表明が、この混乱を収束させ、市政の正常化に向けた第一歩となるのか、市民は固唾を飲んで見守っています。伊東市の将来にとって極めて重要なこの局面の行方は、引き続き高い関心を集めるでしょう。