元大阪府知事の橋下徹弁護士が2025年7月30日、X(旧ツイッター)にて日本保守党の百田尚樹代表らに対し、厳しく苦言を呈した。「お前らに莫大な税金が費やされていることを自覚しろ」と指摘し、同党の北村晴男参院議員が石破茂首相を「醜い」と表現したことに関する百田氏らの釈明動画に反応する形で、公人としての発言の重みを強く求めている。
元大阪府知事・弁護士の橋下徹氏。公人の発言責任を巡る議論に言及する様子。
橋下氏の日本保守党に対する度重なる批判
発端は、北村晴男参院議員が自身のXアカウントで石破茂首相に対し「どこまでも醜い、奇妙な生き物」と投稿したことだった。この表現に対し、多くの批判が相次ぐ中、橋下徹氏も7月28日、当該記事を引用し日本保守党への批判を開始した。橋下氏は「日本保守党の連中は誹謗中傷が酷すぎる」と強く非難。続けて、「およそ税金で飯を食っていく国会議員とは思えない。これまでは単なる一弁護士で好き勝手に言えたが、これからは税金で飯を食っていく公人の国会議員だ。発言の仕方を一から勉強しろ」と、政治家としての自覚と責任ある発言を求めた。
その後も橋下氏は、北村氏の発言を巡り「莫大な税金で飯を食い、権力を扱うという公人の自覚のないまま、コメンテーター気分が抜けないバカな国会議員が誕生した」と批判を継続。公職にある者が税金で生計を立てていることの重みを繰り返し強調した。
百田氏の反論と橋下氏の再反論
橋下氏の度重なる批判に対し、日本保守党の百田尚樹代表は7月29日にXで反論。「『醜く奇妙な生き物』というのは石破の容姿のことでなく、彼の生き方や政治姿勢のことを言ってる。こんなことは普通の読解力があればすぐに理解できることだが、橋下には無理なんだろうな。同じく脊髄反射的に北村議員を非難する連中を見ると、マジで日本人のリテラシーの低下に絶望的な気分になる」と述べ、発言の真意が外見ではなく、政治的スタンスに向けられたものであると釈明した。また、橋下氏や批判する人々に対し、読解力やリテラシーの欠如を指摘した。
これに対し、橋下氏も同日に再反論を展開。百田氏の発言を取り上げた記事を受け、「日本保守党のお前らは、お前らが左派だ、親中派だと誹謗中傷しまくっている人々からの納税でも飯を食っとるんや。これまでのコメンテーターと違うことを自覚しろ」と応酬。税金を納める全ての国民に対する責任を再度強調し、一般のコメンテーターと国会議員との立場上の違いを明確に求めた。
記者会見での釈明と橋下氏の最終指摘
議論が続く中、7月29日に行われた日本保守党の記者会見の切り抜き動画がX上で拡散された。この動画には、会見の終盤で百田氏が北村氏の発言について「あれを『外見や』と言うて捉えるということは、そう捉える人はそう思ってるんやろね」と説明する場面が映っていた。
この動画を見た橋下氏は、30日に再びXに投稿。「こんなことは民間人でやれ。お前らに莫大な税金が費やされていることを自覚しろ。こいつらのせいで日本の大切な道徳・美が壊されていく」と述べ、公人の立場として不適切な発言であり、国民の税金が投入されていることへの自覚を促した。さらに、一連の言動が日本の重要な道徳観や美意識を損なうことへの懸念も表明している。
結論
元大阪府知事の橋下徹氏と日本保守党の百田尚樹代表、北村晴男参院議員の間で繰り広げられた一連のX上での激論は、公人の発言の責任と税金との関係について、改めて社会に問いかける形となった。特に国会議員という公職にある者が、どのような言葉を選び、どのような姿勢で国民と向き合うべきか、その重要性が浮き彫りになったと言えるだろう。この議論は、今後の政治家の言動に対する基準や、国民のリテラシー向上にも一石を投じるものと見られている。
参考文献
- Yahoo!ニュース (J-CASTニュース発) 「橋下徹氏、日本保守党の百田尚樹代表らに「お前らに莫大な税金が費やされていることを自覚しろ」北村晴男氏の石破茂首相「醜い」発言巡り」 https://news.yahoo.co.jp/articles/574b1a8fd12f2b31ec4565fc33a0cadd47a844cb