7月29日に放送された人気特番『はじめてのおつかい 夏の小さな大冒険 家族の絆スペシャル』(日本テレビ系)が、その舞台設定を巡り視聴者から大きな反響を呼んでいます。通常、子供たちが慣れ親しんだ地元でのおつかいに挑戦する同番組ですが、今回は東京ディズニーシーという異例の場所が選ばれ、SNS上では賛否の声が飛び交いました。
4歳児の「大冒険」と視聴者の反応
今回のおつかいに挑んだのは、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』が大好きな4歳の女の子。弟のための冷感タオルと、父親の誕生日プレゼント用のTシャツを購入するため、東京ディズニーシー園内を単独で移動しました。番組では、不安を感じながらもキャストの助けを借りて目的を達成する姿が映し出されました。
しかし、この放送後、X(旧Twitter)では「これじゃない感」を訴える声が多数上がりました。視聴者の多くは、慣れた地域で周囲の人々に見守られながら奮闘する子供の姿に共感を覚えていたため、見知らぬ場所であるテーマパークでの挑戦は違和感があったようです。
『はじめてのおつかい』のMCを務める所ジョージ氏、番組のシンボル的存在具体的には、「地元の道、地元の店で、親が心配しながら待っていて、最後は親を見つけて泣きじゃくるのが良いのに」「知らない場所でやるのは違う」「カメラマンが気づかれているのでは」といった意見が寄せられました。さらに、混雑するパーク内での子供の安全面を懸念する声も多く、「周りの他のゲスト達への配慮なさすぎ」「子供の安全面への配慮が足りない」といった指摘が見られました。
パーク公式の「注意喚起」と企画のギャップ
東京ディズニーリゾートの公式サイトでは、『パーク滞在中のお願い』として明確に「お子様から常に目を離さないようにしてください」という注意書きが添えられています。連日多くの来園者で賑わい、近年の猛暑も重なる中で、わずか4歳の子供が単独で行動することの危険性は否めません。番組の企画とパークが掲げる安全対策との間に“矛盾”が生じているとの指摘は、まさにこの点にあります。
東京ディズニーシーの混雑と子供の安全に関する注意喚起表示このギャップは、視聴者に「番組の趣旨よりも安全性が優先されるべきではないか」という疑問を抱かせ、不満へと繋がったとみられます。
キャストの「手助け」が招いた“ノイズ”
おつかいの最中、ディズニーシーのキャストが子供を完璧に案内し、サポートする場面も放送されました。キャストの高いホスピタリティは素晴らしいものですが、ある芸能記者は「子供の奮闘を記録したい、という番組の趣旨からみれば、逆にノイズになってしまった印象」と語っています。
本来、『はじめてのおつかい』は、子供が自力で困難を乗り越え、成長する過程を描くドキュメンタリー要素が強い番組です。しかし、プロフェッショナルなキャストによる手厚いサポートが入ることで、子供自身の純粋な「奮闘」や「達成感」が薄れてしまい、視聴者が期待するドラマ性が損なわれた可能性が指摘されています。
まとめ
今回の『はじめてのおつかい』ディズニーシー特別編は、番組の長年のセオリーからの逸脱と、テーマパークの環境下での安全面への懸念から、多くの視聴者に「これじゃない感」を抱かせました。公式サイトの注意喚起との矛盾や、キャストのサポートが番組本来の趣旨に影響を与えた点など、今後の番組制作において考慮すべき課題が浮き彫りになったと言えるでしょう。時代と環境の変化に合わせた、番組のあり方を再考する時期に来ているのかもしれません。
参考文献:
- Yahoo!ニュース. (2025年7月30日). 『はじめてのおつかい』ディズニーシーおつかいが「これじゃない」と物議、公式サイトには矛盾した「注意喚起」. SmartFLASH. https://news.yahoo.co.jp/articles/8bea40fb44155a70375fc64be1f08abc8be5f260
- 東京ディズニーリゾート. (N.D.). パーク滞在中のお願い. https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/guide/attention.html