アラフィフで「専業主夫」に転身:元リクルート社員・河野さんの人生変革

近年、日本において45歳以上の男性が第一子をもうける割合が顕著に増加しています。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2003年には「67人に1人」だったのが、2023年には「23人に1人」にまで跳ね上がりました。この「アラフィフからの子育て」と聞くと、多くの人が経済面や体力面での負担を想像しがちです。しかし、実際にその道を歩む男性たちは、どのような子育てライフを送っているのでしょうか。今回は、57歳で「専業主夫」という道を選んだ元リクルート社員、河野さんの物語に迫ります。

増加する「アラフィフパパ」の背景と新たな家族像

40代後半以降での「パパデビュー」が増えている背景には、晩婚化や女性の社会進出など、現代社会における多様なライフスタイルの変化があります。かつては少数派だった「高齢出産」が一般的になるにつれ、男性もまた、従来の働き方や家庭での役割を見つめ直し、新たな家族像を築き始めています。河野さんのように、会社を辞めてまで子育てに専念する選択は、まさにこの新しい潮流を象徴していると言えるでしょう。

河野さんを支えた「人生の三大イベント」

現在57歳の河野さんは、46歳で再婚し、その1年後に長男、52歳で長女が誕生しました。12歳年下の妻は、子ども向け英会話スクールを経営しています。彼の人生を大きく変えた転機は、2015年4月でした。この1カ月間に「会社を辞める」「家を建てる」「子どもが生まれる」という三大ライフイベントが同時に訪れたのです。特に、長男の誕生を機に、24年間勤め上げたリクルートを退社し、妻の地元へ移住、専業主夫として家族を支えることを決断しました。

57歳で専業主夫として子育てに取り組む河野さんの写真57歳で専業主夫として子育てに取り組む河野さんの写真

大手リクルート退職と「専業主夫」としての決断

リクルートといえば、「リクナビ」や「スーモ」、「ホットペッパー」など、日本を代表するウェブサービスを展開する大企業です。実力主義の企業文化で知られ、多くの起業家を輩出しています。そんな誰もが羨む安定したキャリアを、人生で最も多額の資金が必要となる「子どもの誕生」と「マイホーム購入」という節目に手放すという河野さんの選択は、異例とも言えるものです。なぜ彼は、多大なリスクを伴うこの大きな決断を下したのでしょうか。

河野さんの決断は、固定観念にとらわれない現代の家族のあり方と、個人の幸福追求の多様性を示唆しています。経済的な安定や社会的な地位よりも、子育てや家族との時間を優先するという彼の選択は、多くの人々に新たな視点を提供します。誰もが羨む大手企業を辞め、子育てに専念するという彼の決断の背景には、一体どのような思いがあったのだろうか。今後の展開が注目されます。


参考文献:

  • 厚生労働省「人口動態統計」2003年、2023年報を基に筆者集計