国民民主党支持率急落の背景:玉木代表の「優柔不断」が招いた失速か

世界政治・社会情勢を伝える日本ニュース24時間がお届けします。国民民主党の支持率が急速に下落しています。『読売新聞』が10月21日から22日にかけて実施した最新の世論調査では、9月の前回調査から4ポイント減の5%という厳しい結果となりました。この急落の背景には、同党の玉木雄一郎代表が近年の激動する政局で見せた「どっちつかず」の振る舞いがあると、複数の政治ジャーナリストは指摘しています。

激動の政局と玉木代表の「優柔不断」な姿勢

事の発端は、10月4日に投開票が行われた自民党総裁選にあります。小泉進次郎氏が有利との事前予想を覆し、高市早苗氏が当選を果たしました。しかし、高市氏の保守色が強い政治姿勢に対し公明党が難色を示し、連立政権からの離脱を決定。これにより、野党が結集すれば政権交代の可能性が現実味を帯びる状況が生まれました。

立憲民主党の安住淳幹事長は、野党統一候補として国民民主党の玉木雄一郎代表を指名しましたが、玉木氏は政策上の違いなどを理由にこれを固辞します。一方で、与党である自民党内部からも、玉木代表を将来の首相候補として担ぐという案が取り沙汰されるなど、その動向が注目されました。結果的に、日本維新の会が閣外協力の形で自民党との連立に加わることとなり、高市首相の誕生へとつながっています。

国民民主党の玉木雄一郎代表。党の支持率急落と政局での判断が注目の的となっている。国民民主党の玉木雄一郎代表。党の支持率急落と政局での判断が注目の的となっている。

支持層に広がる「失望」と専門家の見解

今回の国民民主党の支持率急落は、玉木代表の「決断できなかった」優柔不断な態度に対する有権者の失望が色濃く反映されたものと見られています。インターネット上では、「当たり前ですな。正直がっかりしたわ。評価ダダ下がり」「すべては玉木が煮え切らない態度取ったから自業自得」「玉さん、右に左にぶ~らぶら本当に、信念もって政策を語ってよ」といった厳しい声が多数寄せられています。

前出の政治ジャーナリストは、この状況を次のように分析しています。「10月21日に行われた首相指名選挙では、高市首相が衆議院で237票、参議院の決選投票で125票をそれぞれ獲得しましたが、いずれも過半数をわずかに上回る数に過ぎず、依然として安定した政権運営は難しい状況です。玉木氏にとっては、政策の違いが大きい野党統一候補の案に乗らずとも、日本維新の会と共に自民党との連立政権に参画し、政策の一致点を見出すという道も十分に存在したはずです。しかし、どちらの案にも乗らず、さらに公明党が連立を離脱した直後に公明党との連携強化を表明したことは、これまで国民民主党を支持してきた層にも大きな失望を与えてしまったと言えるでしょう。」

かつての「追い風」は失速か?国民民主党の過去の躍進

国民民主党は近年、目覚ましい躍進を遂げていました。2024年10月の衆議院議員選挙では、公示前の7議席から4倍増の28議席を獲得。比例代表の候補者が足りず、他党に3議席を譲るという異例の大躍進を見せました。また、2025年7月の参議院議員選挙でも、非改選の5議席と合わせ、公示前の9議席から22議席へと倍増を超える結果を出しており、まさに“追い風”が吹いている状況でした。

しかし、今回玉木代表が見せた優柔不断な態度により、これまで国民民主党に吹いていた強い追い風が大きく失速してしまうのは、避けられない結果なのかもしれません。党の将来を左右する重要な岐路に立たされていると言えるでしょう。

まとめ

今回の支持率急落は、国民民主党の玉木雄一郎代表が政局で下した、あるいは下さなかった決断が、いかに党の命運を左右するかを浮き彫りにしました。かつての勢いを維持し、さらなる飛躍を遂げるためには、明確なビジョンと揺るぎないリーダーシップが今、国民民主党に強く求められています。今後の玉木代表と国民民主党の動向に、引き続き注目が集まります。

出典

Yahoo!ニュース: 国民民主党・玉木雄一郎代表に吹いていた“追い風”はこれまでか…世論調査で支持率「急落」の背景にある“どっちつかず”の振る舞い