国内主要報道機関8社が発表した7月の世論調査結果が出そろい、石破茂内閣の支持率が厳しい状況に置かれていることが明らかになりました。参議院選挙での与党大敗を受け、7社で支持率が下落し、そのうち5社では政権発足以来の最低値を記録。しかし、首相の退任に関する世論は調査機関によって結果が分かれるなど、複雑な様相を呈しています。この内閣支持率の動向は、今後の政局を大きく左右する重要な指標となります。
2025年7月、東京・永田町の自民党本部で記者団の取材に応じる石破茂首相。内閣支持率下落が報じられる中、その動向に注目が集まる。
主要メディア調査に見る支持率の動向
6月と比較して、内閣支持率の変動幅が最も大きかったのは読売新聞で、10ポイントの大幅減となり22%を記録しました。読売新聞は、この数字が「岸田内閣時代の最低の23%を下回った」と報じています。一方で、朝日新聞の変動は最も小さく、3ポイント減の29%にとどまりました。8社の中で唯一、毎日新聞は支持率が5ポイント増の29%と上昇を示し、他社とは異なる傾向を見せています。
石破政権発足後の最低値を記録したのは、読売新聞、NHK(31%)、時事通信(20.8%)、共同通信(22.9%)、日本経済新聞(32%)の5社でした。特に時事通信は、その支持率が「自民党が野党に転落した2009年の衆院選直前と同水準」であると指摘し、政権への強い逆風を示唆しています。調査方法が各社で異なるため単純比較はできませんが、7月の最高値は産経新聞の34.6%、最低値は時事通信の20.8%でした。支持率が20%台にとどまった報道機関は、6月の2社から7月には5社へと増加しており、全体的な低迷が浮き彫りになっています。
国内主要報道機関8社が発表した7月の内閣支持率を示す表。各社の調査結果と前月比の変動が一目でわかる。
石破内閣発足以来の主要報道機関による内閣支持率の推移を示すグラフ。7月の調査で多くの社が最低値を更新しているのがわかる。
首相の進退に関する世論の分かれ目
参院選での与党大敗後、石破首相の進退に関する質問では、世論が分かれる結果となりました。「辞任すべきだ」との回答が半数を超えたのは、読売新聞(54%)と共同通信(51.6%)の調査です。
これに対し、朝日新聞の調査では「辞めるべきだ」が41%であったのに対し、「その必要はない」が47%と上回る結果となりました。産経新聞の調査では「辞任すべきだ」が47.7%、「辞任しなくてよい」が44.2%と、両意見が拮抗している状況が示されています。毎日新聞の調査では、「辞任すべきだ」が42%で「辞任の必要はない」の33%を上回りましたが、「次の首相にふさわしい人」を問う質問では石破氏がトップとなり、その複雑な民意が垣間見えます。
まとめ
2025年7月の主要報道機関による世論調査結果は、石破内閣の支持率が大きく下落し、多くのメディアで政権発足後の最低水準を記録したことを明確に示しています。参院選での与党の敗北が国民の厳しい評価につながった形です。一方で、首相の進退を巡る世論は一様ではなく、メディアによって「辞任すべき」か「その必要はない」かの意見が分かれ、今後の政局展開の不透明さを物語っています。この支持率の推移と民意の多様性は、内閣運営にとって喫緊の課題であり、その動向が引き続き注目されます。
参照元:
時事通信、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、NHK、共同通信、日本経済新聞、産経新聞 各社報道