カムチャツカ地震後のSNSデマ拡散、政府が注意喚起

7月30日、ロシアのカムチャツカ半島付近で発生したマグニチュード(M)8.7の巨大地震は、遠く離れた日本でもその影響が懸念されました。しかし、この地震発生後、SNS上では科学的根拠に乏しい情報や「予言」と称するデマが急速に拡散しており、政府がこうした状況に対し国民に注意を呼びかけています。特に、南海トラフ巨大地震など、将来的な発生が予測されている大規模災害と結びつける投稿や、特定の漫画家の「予言が的中した」とする誤情報が目立っています。

地震と関連付けられる「予言」やデマの具体例

カムチャツカ地震を受けて拡散しているデマは多岐にわたります。米メタ社が運営するテキスト投稿SNS「スレッズ」などでは、「富士山の活動に変化が起こる」といった根拠のない情報や、6月下旬から鹿児島県・トカラ列島近海で地震が頻発している事象と今回のカムチャツカ地震を結びつけ、「大災害が発生する」という不安を煽る投稿が相次いでいます。

カムチャツカ地震発生後、座礁したシロイルカの画像が地震前兆のデマとしてSNSで拡散されている様子。カムチャツカ地震発生後、座礁したシロイルカの画像が地震前兆のデマとしてSNSで拡散されている様子。

さらに、漫画家たつき諒氏の作品「私が見た未来 完全版」(令和4年刊行)に記された「本当の大災難は2025年7月にやってくる」という記述が、今回の地震発生を受けて「的中した」と主張する投稿も多く見られます。たつき氏は平成8年に発表した漫画で、2011年の東日本大震災を予言したと一部で注目を集めていました。過去の作品と今回の事象を関連付けることで、情報の信憑性が高まるかのような印象を与え、誤情報の拡散に拍車をかけています。

政府からの注意喚起と信頼できる情報源の重要性

このような状況に対し、政府は危機感を募らせています。林芳正官房長官は7月31日の記者会見で、「SNSなどインターネット上で根拠不明の情報が見られる」と明確に指摘し、災害に関する情報は自治体や報道機関といった信頼できる情報源で確認するよう、国民に強く注意喚起しました。これは、誤情報が人々の不安を煽り、混乱を招くことを防ぐための重要な呼びかけです。

また、総務省もX(旧ツイッター)の公式アカウントを通じて、「インターネット上の偽・誤情報には十分ご注意ください」と強調。大規模な自然災害発生時には、不確実な情報やデマが拡散しやすくなる傾向があり、情報リテラシーの重要性が改めて問われています。

結び

カムチャツカでの大規模地震は、地球規模での地殻変動が常に発生していることを改めて示しました。しかし、それに便乗して拡散される科学的根拠のない情報や「予言」の類は、冷静な判断を妨げ、時には人々の行動に誤った影響を与える危険性があります。災害時において、正確な情報へのアクセスは生命や財産を守る上で極めて重要です。日本ニュース24時間では、今後も政府機関や公的機関からの公式発表に基づき、信頼できる情報を提供してまいります。

Source link