LiSA、苦悩を乗り越え掴んだ世界的成功:デビュー15周年への道のり

アニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ『紅蓮華』で一躍名を馳せ、今や数々のヒット曲を生み出し続けている人気アーティストLiSA。その人気は日本国内に留まらず、海外公演の成功やストリーミングサービスでの再生回数の多さが示す通り、世界中に熱狂的なファンを抱えています。しかし、華々しい現在の活動の裏には、上京後からデビュー数年にわたる深い苦悩の日々がありました。本稿では、LiSAがいかにしてそれらの困難を乗り越え、国際的なスターダムへと駆け上がったのか、その軌跡を深く掘り下げます。

人気曲「紅蓮華」を歌唱するLiSAの力強いパフォーマンス人気曲「紅蓮華」を歌唱するLiSAの力強いパフォーマンス

上京直後の苦境と現実との対峙

来年4月にデビュー15周年を控え、念願だった北米ツアーやアメリカ・ロサンゼルスでの単独公演を成功させるなど、精力的な活動を続けるLiSA。現在の彼女の音楽活動は順風満帆に見えますが、21歳で故郷の岐阜から単身で上京した当初は、アマチュアミュージシャンとして経済的にも厳しい生活を強いられました。プロデビューを目指し、アルバイトで貯めた100万円を手に東京へ飛び込んだLiSAでしたが、その貯金はわずか2カ月で底をついてしまいます。

「18歳で高校を卒業後、『好きなことをやっていい』と言われ、自分の道を振り返ったとき、続けてこられたのは音楽だけだと気づきました。覚悟を持って東京での生活に挑みましたが、まず最初に痛感したのは、これまでの親からの多大な恩恵でした。夢だけでなく現実と向き合うことの苦しみが、東京に出てきた頃には常にありました」とLiSAは当時を振り返ります。

LiSAが自身の音楽活動の軌跡と上京後の苦悩を語る様子LiSAが自身の音楽活動の軌跡と上京後の苦悩を語る様子

夢の実現に向けた自己対話と覚悟

「自分が何をしたいのか、どんなことなら頑張れるのか」という問いと向き合いながら、夢を現実のものとし、東京での生活を確立するため日々を過ごしました。LiSAは「その苦労は今振り返ると、すごく大事なものだった」と回想します。彼女が青春時代を過ごしたのは、現在のような情報過多な世の中になる直前の時期であり、「思えばすごく恵まれた時代だった。自分はラッキーだった」とも語っています。この自己対話と覚悟が、今日のLiSAを形作る重要な要素となりました。

世界へ羽ばたくLiSAの「選択する強さ」

LiSAの成功は、単なる才能だけでなく、困難な状況下で「何をしたいか、何を選び取るか」という自己との対話を続け、覚悟を持って行動し続けた結果と言えるでしょう。情報が溢れる現代において、自分自身と向き合い、確固たる選択をしていくことの重要性を彼女の軌跡は物語っています。LiSAの歩みは、夢を追いかける多くの人々にとって、かけがえのないメッセージと勇気を与え続けています。


参考文献

  • Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部によるLiSAへの取材記事 (Yahoo! News Original Feature Editorial Department’s interview article with LiSA)