トランプ氏「印の露原油購入停止は良い一歩」 二次制裁警告、ロシア経済に打撃か

【ワシントン共同】ドナルド・トランプ前米大統領は3月1日、ホワイトハウスで記者団に対し、「インドがロシアからの原油購入をやめると聞いた」と語り、この情報が事実であれば「それは良い一歩だ」と評価する姿勢を示しました。インドは、ロシアがウクライナ侵攻を開始して以降、ロシア産原油の主要な輸入国の一つとなっており、その動向は国際社会から注目されています。

米国の対露圧力とインドの立場

トランプ氏はこれまで、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中で、インドを含む第三国がロシア産原油を購入し続けることは、ロシア経済を下支えすることになると繰り返し批判してきました。米国は、ロシアの戦争遂行能力を弱体化させるため、エネルギー収入を断つことを目指しており、主要な原油輸入国であるインドに対し、直接的および間接的な圧力を強めていました。この圧力は、G7諸国が設定したロシア産原油の価格上限メカニズムと並行して行われてきました。

二次制裁の警告とロシア経済への影響

さらにトランプ氏は、もしロシアがウクライナとの停戦に応じない場合、ロシア産原油を継続して購入する第三国に対して「二次制裁」を科す可能性を示唆しています。これは、国際的な金融システムから排除されるなど、重大な経済的影響を及ぼす可能性がある強力な措置です。

インドが実際にロシアからの原油輸入を停止すれば、ロシア経済にとって一定の打撃となる可能性が高まります。ロシアは原油輸出に大きく依存しており、主要顧客の一つを失うことは、戦費調達能力に影響を与え、長期的な経済的困難を招くことが予想されます。

ホワイトハウスでの記者会見でロシア産原油購入停止について言及するトランプ前米大統領ホワイトハウスでの記者会見でロシア産原油購入停止について言及するトランプ前米大統領

今後の国際エネルギー市場の動向

トランプ氏の発言は、インドがロシアとのエネルギー取引において、国際社会からの圧力と自国の利益の間で複雑なバランスを取っている状況を浮き彫りにしています。この情報が公式に確認されれば、国際的なエネルギー市場や地政学的バランスに大きな影響を与える可能性があります。今後のインドの具体的な行動と、それに対するロシアおよび米国の反応が注目されます。

参考資料