【ワシントン=塩原永久】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、労働省労働統計局長のマッケンターファー氏が解雇されたと報じた。トランプ大統領が1日に指示していた。同紙によると、労働統計局幹部が1日夜、マッケンターファー氏が解雇され、副局長が代行を務めることを確認した。
毎月上旬に発表される雇用統計は米国の景気動向を敏感に映し出す重要統計のひとつ。トランプ氏は1日、この日発表された7月の就業者数の増加幅が鈍化し、過去のデータも大幅に下方修正されたことを受け、政治的意図で統計データを「操作」していると主張してマッケンターファー氏解任を指示していた。
同氏はバイデン前大統領に指名され、昨年1月に局長に就任した。統計専門家として信任が厚く、人事承認に関する上院の採決では、バンス副大統領やルビオ国務長官ら当時の共和党の議員の大半が賛成した。
トランプ氏は解雇を指示したSNSの投稿で、後任に「もっと有能でふさわしい人物」を指名すると表明していた。