人気バンドMrs. GREEN APPLEのボーカル・ギターを務める大森元貴さんが、2025年度前期放送の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)への出演が決定し、注目を集めています。彼が演じるのは、童謡「手のひらを太陽に」や「見上げてごらん夜の星を」など数々の名曲を手がけた作曲家・いずみたくさんをモデルにした「いせたくや」役。主人公・柳井嵩(北村匠海)にとって重要な存在となるいせたくやを、音楽家である大森さんがどのように表現するのか、期待が高まります。
いせたくや役とは:音楽家・いずみたくさんをモデルに
今回、大森元貴さんが演じるいせたくやは、日本の音楽史に名を刻む作曲家いずみたくさんをモデルとした人物です。いせたくやは、嵩が彼のミュージカルの舞台美術を担当したことをきっかけに、共作として「手のひらを太陽に」の作詞を手がけることになります。音楽を本業とする大森さんにとって、実在の偉大な音楽家を演じることは、音楽と演技の双方で深い共鳴を生むことでしょう。
大森さんは、2025年公開の映画『#真相をお話しします』で初主演を務めるなど、俳優としても活動の幅を広げています。音楽制作と演技、異なる表現方法を通して、彼が自身の創作への思いや、共演者である北村匠海さんとの間に見出す共通点についても関心が寄せられています。
大森元貴さんの横顔。朝ドラ『あんぱん』で作曲家いせたくや役を演じる氏の表現力に期待が高まる。
朝ドラ出演のきっかけ:「音楽劇」ライブが決め手に
大森元貴さんの『あんぱん』への出演オファーは、Mrs. GREEN APPLEが2024年3月に行った「演劇仕立てのライブ」が大きなきっかけとなりました。制作統括の倉崎憲さんはこのライブを鑑賞し、すぐに大森さんへの出演オファーを決めたといいます。
倉崎さんは、当時のライブについて「曲と曲の間に芝居が入るような音楽劇的な構成」であったと振り返り、「そのときの大森さんの間の取り方や佇まいなどに惹かれるものがあって、大森さんの芝居をもっと見たくなったんです」と語っています。また、いせたくや役には「やっぱり実際に曲を作っている方がいいと思いました」と、音楽家である大森さんの起用が最適であったことを強調。生涯で1万5000曲以上作曲したいずみたくさんと、2024年に5カ月連続で新曲をリリースしたMrs. GREEN APPLEの旺盛な創作活動、そして年代問わず多くの人に届くメロディを生み出す共通点に、倉崎さんは強く惹かれたと明かしています。倉崎さんのこの見立ては的中し、撮影を見学したいずみたくさんのご親族が、いせたくやのシーンを見て涙するほどであったと伝えられています。
音楽と演技の融合が生み出す新たな魅力
大森元貴さんの朝ドラ『あんぱん』出演は、彼の多才な才能を改めて示す機会となるでしょう。音楽家としての深い理解といずみたくさんのモデル役が重なり合うことで、登場人物の感情や創作への情熱がよりリアルに、そして感動的に描かれることが期待されます。彼の演技を通して、いせたくやという人物がいかにして名曲を生み出したのか、その背景にある物語が視聴者の心に深く響くことに注目が集まっています。