甲子園注目度分析:バーチャル高校野球視聴ランキングが示す地方大会の波乱と強豪の動向

8月5日、「第107回全国高等学校野球選手権大会」がいよいよ甲子園で開幕します。全国49校が深紅の大優勝旗を目指し、18日間の熱戦に挑みます。地方予選には3441チームが参加し、3000試合以上が繰り広げられました。総合スポーツサイト「スポーツナビ」の「バーチャル高校野球」では、地方大会全試合がライブ配信され、その視聴ランキングが発表されています。本稿ではこのランキングデータから今大会の注目ポイントを探ります。

大阪大会に起きた「絶対王者」の波乱

ライブ配信視聴ランキングの1位は、大阪大会の決勝でした。春の選抜4回、夏の選手権5回優勝の大阪桐蔭は、2010年代に2度の春夏連覇を含む計6回の優勝を誇る強豪です。

4位には準決勝の履正社対大阪桐蔭が入りました。常に大阪の代表を争うライバル両校の対戦で、大阪桐蔭が8-1と圧勝し、甲子園出場に大きく近づきました。しかし、決勝で東大阪大柏原に延長10回タイブレークで敗れ、2年連続14回目の出場はなりませんでした。

大阪大会決勝で大阪桐蔭を破り、甲子園出場を決めて喜ぶ東大阪大柏原高校の選手たち大阪大会決勝で大阪桐蔭を破り、甲子園出場を決めて喜ぶ東大阪大柏原高校の選手たち

一方、大阪代表の東大阪大柏原は14年ぶり2度目の出場。前回も決勝で大阪桐蔭を破っていました。守備中心の粘り強い野球で、大阪府大会は準々決勝から3試合連続1点差ゲームを勝ちきりました。

神奈川の「二強」対決と横浜高校の春夏連覇への挑戦

2位は神奈川大会決勝。横浜と東海大相模は神奈川の名門で、春は横浜4回、東海大相模3回、夏はともに2回の優勝を誇ります。両校の決勝は横浜スタジアムが試合開始直後に満員札止めとなり、3万3000人の観衆を集めました。

神奈川県は春・夏それぞれ8回甲子園優勝経験があり、高校野球が盛んです。横浜と東海大相模は「二強」と言われ、視聴ランキングには各地区決勝戦のほか、8位に東海大相模対向上、14位に横浜対立花学園の準決勝、11位に横浜対平塚学園の準々決勝がランクインしました。

神奈川代表の横浜は春の選抜を制覇。この夏は松坂大輔を擁した1998年以来の春夏連覇に挑みます。投手陣は4番も打つ奥村頼人と、MAX152kmの織田翔希の2枚看板。2年から主将を務める阿部葉太を中心にした打線も破壊力があり、優勝候補に挙げられています。

「バーチャル高校野球」視聴ランキングは、地方大会の熱戦と波乱を鮮明に映し出しました。絶対王者・大阪桐蔭のまさかの敗退、そして横浜高校の春夏連覇への挑戦。データが示すこれらのドラマは、甲子園での熱い展開を予感させ、全国の高校野球ファンの期待を大きく高めています。

参考資料

  • スポーツナビ
  • バーチャル高校野球