医師も驚愕の「超巨大ベビー」誕生、母親が語る壮絶な出産体験

米国テネシー州に暮らす一人の母親が、妊娠中の定期検診で医師から「赤ちゃんは少し大きめに育っていますね」と告げられた際、彼女の想像をはるかに超える「超巨大ベビー」が誕生し、壮絶な出産体験をすることになるとは夢にも思わなかっただろう。この驚くべき出来事は、SNSで大きな話題となり、世界中の人々に衝撃を与えている。

「大きめ」の診断から一転、驚きの体重で誕生

妊娠後期、定期的な成長スキャンの後、医師から赤ちゃんが「大きめ」と診断されたナンシー・ホーキンスさん(@nancyfhawkins)。彼女は内心、「まあ8〜9ポンド(約3.6〜4.0kg)くらいかな」と考えていたという。しかし、実際に誕生した娘ヘイゼルちゃんの体重は、その予想をはるかに上回る10ポンド8オンス(約4.76kg)で、しかも予定日より3週間も早くこの世に生を受けたのだ。ホーキンスさんは「無痛分娩があって本当に良かったと心底思いました」と当時の心境を語っている。

医師が「大きめ」と診断した約4.76kgの超巨大ベビー、ヘイゼルちゃんの姿医師が「大きめ」と診断した約4.76kgの超巨大ベビー、ヘイゼルちゃんの姿

ホーキンスさんは1型糖尿病を患っており、一般の産婦人科医と周産期専門医の両方による厳重な管理下で妊娠期間を過ごしていた。血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値は良好にコントロールされていたにもかかわらず、妊娠30週の定期検査で、ヘイゼルちゃんは突然99パーセンタイルを超える大きさに達していることが判明した。同時に羊水量もやや多めであったため、それ以降は毎週の通院が必要となったという。高リスク妊娠を専門とする医師は、「これはあなたのせいではありません。大きく生まれてくる赤ちゃんもいるのです」とホーキンスさんに伝えたというが、これほどまでに巨大な赤ちゃんが、これほど劇的な形で誕生することは、誰も予想していなかった。

緊迫の分娩、そしてまさかの「肩甲難産」

ホーキンスさんは、自身の出産を「まさにジェットコースターのようだった」と表現する。妊娠37週の定期健診で通常のノンストレステスト(NST)を受けていた際、1日中感じていた軽い腹痛と高めの血圧から、すでに本格的な陣痛に入っていることが判明し、そのまま入院することになった。

分娩は当初、順調に進んでいるように見えた。しかし、丸1日続いた陣痛と1時間にわたるいきみの末、事態は急変する。赤ちゃんの肩が母親の骨盤に引っかかってしまう「肩甲難産」が発生し、緊急の対応が求められる状況に陥ったのだ。「聞こえてきたのは『医者を呼んで!』と『とにかく押して!』という声だけでした」とホーキンスさんは当時の恐怖を語る。「本当に怖かったです。看護師や医師たちが慌てて部屋に駆け込んでくるのが見えました」。ヘイゼルちゃんは1分以上もの間、産道で引っかかった状態が続いたという。

ようやく赤ちゃんが取り上げられた後、一瞬だけ母親の胸に抱かれたが、すぐに呼吸の問題が見つかり、新生児集中治療室(NICU)へと運ばれることになった。

この壮絶な出産劇は、医療チームの迅速な対応と、母親の並々ならぬ努力によって乗り越えられた。ヘイゼルちゃんのその後の健康状態については詳細不明だが、この一件は、出産にまつわる予期せぬ困難と、生命の神秘を改めて浮き彫りにした。

参考文献

  • Newsweek Japan
  • Yahoo! News