イタリア、メッシナ海峡大橋計画を承認:世界最長へIHIも参画

【パリ時事】イタリア政府は6日、本土とシチリア島を結ぶメッシナ海峡大橋の建設計画を承認しました。完成すれば世界最長つり橋となり、日本のIHIもその建設に参画します。

プロジェクト概要

このつり橋は主塔間の長さが3.3キロメートルに及び、現世界最長のトルコのチャナッカレ海峡大橋を1キロメートル超上回る設計です。道路と鉄道の線路が敷設される予定。会計検査院のゴーサインを得た後、今秋着工し、2032~33年頃の開通を目指します。総工費は約135億ユーロ(約2兆3100億円)が見込まれています。

チャナッカレ海峡大橋の開通式に出席するエルドアン大統領。メッシナ海峡大橋が完成すれば、世界最長のつり橋の記録が更新される。チャナッカレ海峡大橋の開通式に出席するエルドアン大統領。メッシナ海峡大橋が完成すれば、世界最長のつり橋の記録が更新される。

期待と課題

建設・開通に伴う経済活性化移動時間短縮が期待され、サルビーニ副首相は「恩恵をもたらすプロジェクトで歴史をつくろう」と訴えています。しかし、建設構想は半世紀前からありましたが、資金難などがネックで実現が遅れてきました。「イタリア最大の公金の無駄遣い」といった不要論が根強いほか、活発な地震帯であるこの地域の耐風・耐震面での課題も指摘されており、完成までには多くの曲折が予想されます。

プロジェクトの展望

メッシナ海峡大橋は、イタリアの長年の夢と日本のIHIの技術貢献が融合する壮大な挑戦です。経済効果への期待が高まる一方で、残された財政的・技術的課題をいかに克服し、プロジェクトを完遂できるかが、今後も世界から注視されます。

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/5602d7bd538803608935bbcf379202167cee191d