安倍昭恵夫人に政界進出への期待が再燃している。トランプ前米大統領やプーチン露大統領との面会でその影響力と人脈が注目される中、安倍晋三元首相の死去後、「出馬待望論」が浮上。特に自民党内、とりわけ旧安倍派の苦境が背景にある。
ロシアのプーチン大統領と会談する安倍昭恵氏。国際的な人脈を示す象徴的な場面。
地元山口、安倍派の「再興」を願う声
昨年亡くなった安倍晋三元首相の地盤であった山口旧4区(現3区)は、衆院の区割り改定と安倍氏の不在により、長年のライバルであった林芳正官房長官の強い影響下に置かれている。この状況に対し、地元山口県の自民党関係者からは、「林派」に冷遇され苦境に陥る「安倍派」の地方議員たちの切実な声が聞かれる。「安倍事務所の再興を」との願いから、昭恵氏に出馬してもらい、地盤回復と地方議員の復活を願う。しかし、昭恵氏は安倍氏命日に墓所がある油谷(長門市)には足を運んだものの、旧安倍事務所の下関には立ち寄っていないという。
中央政界からの「安倍政治」継承への切望
地元山口県のみならず、中央政界からも昭恵氏の出馬を請う声が上がる。自民党関係者は、前回衆院選と参院選の大敗を石破茂氏の責任とし、「安倍さんの弔い合戦はまだ」と強調。安倍氏支持層が参政党に流れたことを石破氏の求心力不足の証左と見なし、「今の政治は安倍さんがやろうとしていた政治ではない」と危機感を募らせる。こうした背景から、昭恵氏に出馬してもらい、旧清和会(安倍派)を新グループとして復活させ、顧問に就任してほしいとの要望が強い。トランプ前米大統領やプーチン露大統領と直接対話できる昭恵氏の人脈と影響力への期待は大きい。
再燃する待望論の背景:党内苦境と過去の経緯
しかし、安倍氏死去後の補欠選挙では、昭恵夫人は後援会からの出馬要請を固辞した経緯がある。当時吉田真次氏が勝利したが、区割り改定で比例転出を余儀なくされた。こうした過去がありながら、今回再び昭恵夫人への待望論が浮上するのは、自民党全体、特に旧安倍派が直面する深刻な苦境と、その打開への切実な願いの表れである。
結論
安倍昭恵氏への出馬待望論は、自民党内の厳しい現状と旧安倍派の再建への切実な願いを映し出している。彼女の動向が、今後の日本の政治情勢に影響を与える可能性は大きい。
ソース: Yahoo!ニュース