ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の婚外子とされる女性が、自身のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上で、大統領に向けられたとみられる批判的な投稿を行い、国際社会で波紋を呼んでいます。この報道は、英紙「タイムズ」や独紙「ビルト」など複数の海外メディアによって伝えられました。
批判投稿の内容と背景
プーチン大統領の婚外子と目されるエリザベータ・クリボノギフ氏(22)は、自身のテレグラムチャンネル「アート・オブ・ルイーザ」に自身の写真を投稿し、「再び自分の顔を世間に見せることができるようになり、解放感を覚える」と述べました。さらに「私が誰(の子)として生まれ、誰が私の人生を破壊したのかを思い起こさせる」「その人は数百万人の命を奪い、私の人生も破壊した」と強い言葉で批判を展開。具体的な名前は明記されていないものの、文脈からプーチン大統領を指していると解釈されています。
プーチン大統領の婚外子とされるエリザベータ・クリボノギフ氏(22歳)の顔写真
エリザベータ・クリボノギフ氏の出自と推定される資産
クリボノギフ氏は、プーチン大統領と元清掃員(家政婦)のスベトラーナ・クリボノギフ氏の間に2003年に生まれたとされています。スベトラーナ氏は、エリザベータ氏の出産後、「プーチンの財布」とも呼ばれたロシア銀行の主要株主となり、2020年時点では推定1億ドル(約147億円)に上る資産を保有していると報じられています。彼女は高級マンションや豪華ヨットなども所有しており、その富の形成過程に注目が集まっています。
反戦アート美術館でのインターンと物議
エリザベータ・クリボノギフ氏は、これまで「ルドノバ」という偽名でパリに居住していました。最近では、反戦アートの展示で知られる美術館でインターンとして勤務していたことが明らかになり、大きな物議を醸しました。特に、ウクライナの芸術家やロシアからの亡命者の間からは強い怒りの声が上がっています。ロシアの反政府芸術家ナスティア・ロディオノワ氏は、「プーチン一族の人間がそのような場所で働くことは容認できない」と表明し、当該美術館との関係を解消しました。
SNSアカウント閉鎖と豪華な私生活
こうした批判に対し、クリボノギフ氏は「私の言葉に耳を傾けられないような家族の行動に関して、私に本当に責任があるのか」と悔しさを訴え、SNSアカウントを全て閉鎖しました。一方で、「タイムズ」紙は、クリボノギフ氏が過去にSNS上で、個人所有のジェット機で世界旅行をする様子や、様々な高級ブランド品を身に着けるなど、自身の豪華な生活を頻繁に自慢していたと指摘しています。
今回のプーチン大統領の婚外子とされる女性によるSNS投稿は、ロシアの政治情勢、特にウクライナ侵攻が続く中で、国内外に与える影響と、ロシア最高権力者の家族のプライベートに関する情報が報じられることの稀有さから、大きな注目を集めています。
参考文献
- 英紙「タイムズ」
- 独紙「ビルト」
- 朝鮮日報日本語版