米国「相互関税」発動で日米の「認識ずれ」浮上、赤沢大臣のX投稿が物議を醸す

アメリカ・トランプ大統領(79)が世界に向けて宣言した「相互関税」が、7日午後1時に発動されました。当初、日本政府は日米合意により、相互関税が15%に引き下げられ、本来の関税率が15%未満の品目は一律15%、15%以上の品目には上乗せがないと説明していました。しかし実際には、すべての品目で15%が上乗せされた関税となっており、この関税率を巡っては日米間で「認識のずれ」が生じていました。

トランプ米大統領が世界に向けた相互関税発動について言及する様子トランプ米大統領が世界に向けた相互関税発動について言及する様子

「相互関税」を巡る日米間の認識のずれと政府の対応

この関税の混乱に対し、赤沢亮正経済再生担当大臣(64)は、7日に渡米先での記者会見で、「相互関税を巡る日米間の認識に齟齬(そご)はない」と述べました。さらに、アメリカ側からは「7日以降に徴収された相互関税のうち、日米合意の内容を上回る部分は遡って払い戻す」との説明があったと発表しました。関税問題の解決に向け、赤沢大臣はこれまでも度々訪米して交渉を重ねており、今回が9度目の渡米となりました。

赤沢大臣のX投稿が物議、「緊張感欠ける」との批判

米国での交渉を経て、赤沢大臣は8日までに自身の公式X(旧Twitter)を更新し、写真を添えて「混乱の終結」をアピールしました。しかしその投稿内容は、公的な発表としては異例のフランクな文面で、以下のように綴られていました。

《日本愛溢れるナイスガイ、#ラトちゃん との話し合いは割と上手く行きました。 大親日家の #ベッちゃん とも旧交を温めました。#大阪・関西万博 への米国代表団団長としてご来日時にプレゼントした #赤松健参議院議員 の描いたポートレートを執務室に飾ってくれていました。 明朝帰国の途に就きます。》

このフランクな表現に対し、ある政治記者は「以前から親しみを込めて、ラトちゃんと呼んでいましたが…」としつつ、次のように解説しました。投稿中の「ラトちゃん」とはハワード・ラトニック商務長官(64)を指し、「ベッちゃん」はスコット・ベッセント財務長官(62)のことで、トランプ氏が深く信頼する投資家出身の“やり手”です。今回の訪米で両氏と会談した赤沢大臣は、交渉に「手応え」を感じたからこそ、このようなフランクな投稿になったのでしょう。これはアメリカとの親密さや交渉の成功をアピールする狙いがあったのかもしれません。しかし、そもそも合意が文書化されず「口約束だった」との批判も出ており、国民が不安を抱える現状では、やや緊張感に欠ける投稿だったとの見方を示しました。

赤沢大臣のX投稿に対し、SNS上では以下のような批判的な声が相次ぎました。

  • 「心底呆れた もう言葉が見つからない」
  • 「関税を決める大統領令が変更されるまでどうなるのかわからないのに、面白おかしく投稿している場合ではないと思うんだけど。」
  • 「何を意図しているのか理解出来ないんだけど、とりあえず日本国内に混乱が起きているのでノリの軽いポストは控えて頂きたい…」
  • 「緊張感を持ってやって欲しい時に、いつまでも親密度をアピールしてウケ狙い、世間からどんな印象を持たれるか想像もできない人間が関税交渉役ってヤバすぎ」

関税交渉では一定の進展が見られたものの、赤沢大臣の「気の緩み」とも取れる今回の投稿が、今後の日米貿易交渉に悪影響を及ぼさないかが懸念されています。

まとめ

米国による「相互関税」の発動は、日米間で当初の認識に大きなずれを生じさせ、日本政府の対応が注目される事態となりました。赤沢経済再生担当大臣は、混乱収拾に向けた交渉の成果を強調したものの、その情報発信の姿勢が国民の不安をさらに煽る結果となりました。国際的な通商問題、特に自国の経済に直接影響を及ぼす交渉においては、政府高官による情報発信の重みと、国民への透明性かつ厳粛な姿勢が強く求められます。今後の日米関係、そして国内経済への影響を注視する必要があります。

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