【ソウル時事】石破茂首相の退陣表明について、韓国の有力紙は8日、1面などで大きく報じた。
現地では石破氏は韓国に対して「友好的」と受け止められていただけに、首相交代による日韓関係への悪影響を懸念。東亜日報は、次期首相候補の一人とされる高市早苗前経済安全保障担当相について「強硬保守層の支持が厚く、安倍晋三元首相の路線を継承するため『女性版安倍』とも呼ばれる」と紹介した。
韓国の李在明大統領は8月に東京を訪れ、石破氏と会談。「次に(石破氏が)韓国を訪れる際には地方でお会いしたい」と語り、石破政権の継続に期待を示していた。今回の退陣表明には落胆が広がり、大統領府関係者は「日本の動向を注視している」と述べるにとどめた。
李氏は10月末から慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に日本の首相を招待している。次の首相の初外遊先が韓国となる可能性がある。
韓国メディアは、小泉進次郎農林水産相と高市氏が次期首相選びでの軸になると伝えた。特に高市氏が「従軍慰安婦」という表現に否定的な立場を取り、前回の自民党総裁選で首相就任後も靖国神社への参拝を続けると明言したことから、韓国側では警戒感が強まる。聯合ニュースは「高市氏が首相に就けば両国関係が悪化する可能性が高い」と伝えた。