フワちゃん、芸能活動休止から1年。復帰阻む「世間の声」と「広告主の壁」

人気タレントのフワちゃんが、お笑い芸人のやす子(26)に対する不適切なSNS投稿をきっかけに芸能活動を休止してから、まもなく1年が経とうとしている。本人には復帰への強い意欲があるものの、その道のりは依然として険しい状況だ。世間からの厳しい声と、芸能界特有の「広告主への配慮」という壁が、彼女の復帰を阻む大きな要因となっている。

問題の発端:やす子への不適切投稿と即座の対応

事の発端は、パリ五輪が開催されていた時期に遡る。やす子が自身のX(旧Twitter)に「やす子オリンピック 生きてるだけで偉いので皆 優勝でーす」と投稿したのに対し、フワちゃんが引用リポストで「《おまえは偉くない》《予選敗退でーす》」といった不適切発言を行った。この投稿はすぐに削除され、フワちゃん本人もやす子に直接謝罪したものの、その影響は甚大だった。投稿からわずか1週間後には、フワちゃんの芸能活動休止が発表されるに至った。

CM、ラジオ番組、教科書からも「削除」された影響

フワちゃんの起用をめぐっては、企業やメディアの対応も迅速だった。彼女が出演していた『Google Pixel』のCM動画はYouTubeで非公開となり、Google Japanの公式Xアカウントからも関連投稿が全て削除された。さらに、長年パーソナリティーを務めていたニッポン放送のラジオ番組『フワちゃんのオールナイトニッポン0』は番組終了の措置が取られた。その影響は教育分野にも及び、翌年から使用される予定だった中学校の技術・家庭の教科書からは、フワちゃんの掲載が発行元の教科書会社の申請により削除されるという異例の事態となった。

復帰への強い思いと語学留学の現在

芸能活動休止から1年が経過しようとしているが、いまだに復帰の目処は立っていない。しかし、テレビ局関係者によると、フワちゃん本人は「復帰したい」と周囲に漏らしており、テレビへのカムバックを強く望んでいるようだ。その意欲の現れか、今年の7月下旬にはコアファン向けのX有料サブスクリプションサービスで「色々ゆっくり考えてます」と投稿。そこには“グッド”を示す親指を立てたフワちゃんらしいド派手なネイルの写真が添えられていた。

スポーツ紙記者によると、フワちゃんは昨年6月にサンフランシスコへの語学留学をXで報告していたが、現在はイタリアへと留学先を変え、継続しているという。幼少期をロサンゼルスで過ごした経験を持つ彼女は、2018年にYouTuberとして活動を開始した際も、世界を周遊する動画を配信したいと考えていた。一時はYouTubeでの知名度を足がかりに人気タレントとしてテレビの世界へ進出したが、現状ではそのどちらでも活動ができていない状態にある。

フワちゃんが笑顔でポーズを取る様子。トレードマークのカラフルな服装と髪型が特徴。フワちゃんが笑顔でポーズを取る様子。トレードマークのカラフルな服装と髪型が特徴。

世間の厳しい意見と「宮迫化」の懸念

フワちゃんの近況が報じられるたびに、インターネット上では復帰に対して厳しい意見が多数寄せられている。ネットニュースのコメント欄には「特に面白い訳でもなく、好感度が高い訳でもない。女版宮迫で本人が復帰をしたくても、なかなか世間が求めてない感じで復帰には、時間がかかると思う」といった、元雨上がり決死隊の宮迫博之氏を例に出して長期的な影響を懸念する声が見られる。「表舞台が芸能界のことを指すのならば、厳しいようですが需要は無い」「やすこさんの騒動以前から、誰にでもタメ口、遅刻癖、仕事に対するスタイルが苦手でした。寧ろ、何故たくさんの番組に重宝されるのか不思議でした」「元々YouTuberならそっちで復帰したらいいのに」など、騒動以前からの彼女への否定的な評価や、活動場所への言及も見られる。

芸能界がフワちゃんの復帰をためらう理由:「広告主への配慮」と「世論」

やす子への投稿は確かに軽率な発言ではあったものの、テレビに二度と戻れないほどではないと考える向きもある中で、なぜフワちゃんはこれほど長く“干され続けている”のだろうか。

前述のテレビ局関係者は、その理由について次のように語る。「YouTubeやSNSはあくまで個人的な活動なので、やりたければ好きに出来ますが、テレビはやはり難しい。大きな理由としてはまだ“広告出稿するクライアントへの配慮”が必要と考える人は多いんです。正直、“代わりはいる”わけで、ハードルを越えてまでフワちゃんを起用する理由はない。なので、いまだに企画書段階でも名前を挙げることはないですね」。

さらに番組を見る視聴者への配慮も大きいという。番組制作会社関係者は日本テレビを例に挙げ、「同局はスキャンダルに厳しく、芸能人の私生活に関する報道があると、当該タレントについての視聴者アンケートを行い、世間からの好感度の変化を調査しているそうです。極論的にいえば、“何をしたか”以上に、“それによって世間はどう感じているか”を重要視している」と説明する。フワちゃんの近況を伝える報道に対する意見も当然把握しており、ネットニュースのコメント欄を見ると復帰について否定的な人がまだまだ多いことから、「復帰もまだまだではないか」と分析している。

結論

フワちゃんの軽率な投稿が招いた代償は、テレビCMやラジオ番組、さらには教科書からの削除といった具体的な影響に留まらず、芸能活動の長期休止という重い結果として表れている。彼女が復帰を強く望む一方で、芸能界では「広告主への配慮」という経済的な側面と、「視聴者からの好感度」という世論の側面が、その道を閉ざしている。特に「何をしたか」よりも「世間がどう感じているか」が重視される現状において、インターネット上の厳しい意見が払拭されない限り、彼女のテレビ復帰は依然として困難な状況が続くと言えるだろう。

出典

https://news.yahoo.co.jp/articles/690aa5b861e0cdcfee0e1135bf9cb4772b45074c