故・ジャニー喜多川氏の姪であり、故・メリー喜多川氏の娘である旧ジャニーズ事務所社長、藤島ジュリー景子氏が7月に刊行した著書『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』(新潮社)が各方面で大きな波紋を呼んでいます。その中でも特に注目を集めているのが、国民的アイドルグループ「嵐」の活動休止に関する言及部分です。8月6日、『文春オンライン』が報じたこの内容は、世間の関心を集める一方で、ファンからは意外な反応が寄せられています。
藤島ジュリー景子氏が語る嵐「活動休止」の提案背景
嵐は2019年1月、2020年末をもってグループとしての活動を休止し、2021年からは無期限の活動休止期間に入ると発表しました。その後、2025年5月に突如5人揃って動画を公開し、2026年春に開催されるコンサートツアーを最後に嵐としての活動を終了することを明かし、世間に衝撃を与えました。この活動休止の決定は、2017年にリーダーの大野智さんがグループ脱退の意向を相談したことがきっかけだったとされています。
同誌の報道によると、大野さんはリーダーとしての強い責任感から、「辞めたい」という本音を他のメンバーに直接伝えられずにいました。当時、嵐のマネジメントを担当していたジュリー氏には、度々弱音を漏らしていたといいます。その状況を間近で見てきたジュリー氏は、著書の中で「最終的に『解散ではなく、休止という形にしたら』と提案したのは私です」と明かしています。彼女は、大野さんが「なんとか精神を保ってやってきたのをずっと近くで見ていたので、これ以上何かを強いてしまえば本当に壊れてしまうと思った」と、その助言の背景にある配慮を語っています。
活動休止のきっかけとなった嵐のリーダー大野智の姿
ファンクラブ会費を巡る疑惑と落胆
ジュリー氏の赤裸々な告白に対し、X(旧Twitter)では多くのファンからファンクラブ(FC)に関する疑問の声が相次ぎました。「しんどい大野くんに休止を提案したのは、もう無理かもしれないのに、ファンクラブ収入を保持したかっただけでは」「解散されたらFCのお金入ってこないもんね」といった声が散見され、活動休止中も途切れることなく請求され続けた莫大なFC会費が、会社側の真の目的だったのではないかという憶測が広まりました。
活動休止期間中、多くのファンは嵐の「復活」を心待ちにしていました。特に2024年はデビュー25周年という節目の年であり、何らかの動きがあるのではないかと大きな期待を寄せていたファンも少なくありませんでした。しかし、待てども再開の知らせはなく、払い続ける会費に疑問を感じ、FCを退会するファンが続出する事態に。
さらに、2025年5月の活動終了発表動画では、FCへの「新規入会」が一時停止される措置が発表されました。その後、再び入会受付が開始された際には、新たな入会者にはコンサートチケットの購入権利が与えられないという発表があり、これにより長年応援し、FC会費を支払い続けてきたファンからは「やるせない」と落胆の声が上がりました。
嵐の未来とファンの心の葛藤
長きにわたり会費を払い続けた末に、活動再開の知らせではなく「活動終了」の発表。この報せは、ファンにとってまさに「やるせない」の一言に尽きるでしょう。ジュリー氏が嵐というグループに愛情を注いでいたことは理解できるものの、ファンにとっては「休止」という選択が企業側の利益目的であったと捉えられ、その行為を「美談」として語られることには抵抗感を覚えるのが実情です。
藤島ジュリー景子氏の著書による赤裸々な発言は、嵐の活動休止の舞台裏を明かすと同時に、長年グループを支えてきたファンの複雑な感情と、芸能事務所の運営における透明性の課題を浮き彫りにしています。この問題は、単なるエンターテインメントニュースとしてだけでなく、企業倫理やファンとの関係性といった側面からも、今後の動向が注目される社会的なテーマとなっています。
参考文献
- 『ラストインタビュー─藤島ジュリー景子との47時間─』新潮社
- 『文春オンライン』2025年8月6日付記事
- 芸能ジャーナリストへの取材に基づいた情報