お金持ちの家では見かけないもの:一流デザイナーが語る、高級感を損なうインテリア

私は長年インテリアデザイナーとして、一般的な家庭から著名な富裕層まで、幅広い顧客の空間づくりに携わってきました。その豊富な経験から言えるのは、真に洗練された「高級感のある空間」を演出するために、必ずしも莫大な費用をかける必要はないということです。むしろ重要なのは、空間全体の印象を安っぽく見せてしまう特定の要素を避けることにあると確信しています。裕福なクライアントの邸宅で私がほとんど目にしないものがいくつかあり、これらを排除することが、住まいに洗練された高級感をもたらす鍵となるでしょう。

洗練されたニュートラルカラーのリビングルームと、空間に馴染むリアルな観葉植物洗練されたニュートラルカラーのリビングルームと、空間に馴染むリアルな観葉植物

1. 流行を追いすぎた装飾は、すぐに時代遅れになる

高級感のある住宅空間では、一時的な流行に左右されない、普遍的なデザインが選ばれる傾向にあります。具体的には、落ち着いたニュートラルな色合いを基調とし、クラシックなフォルムの家具が多用されています。素材も、木材、大理石、上質なレザーといった耐久性があり、時とともに風合いを増す天然素材が好まれます。これらは長きにわたり美しさを保ち、空間に本物の価値と安定感をもたらします。一方、流行の最先端を行くデザインや装飾品は、あっという間に古臭く感じられるリスクを伴います。もしトレンドを取り入れたいのであれば、クッションカバーやアート作品、小物など、簡単に交換できるアクセントとして限定的に使用するのが賢明です。これにより、空間の基礎は時代を超越した美しさを保ちつつ、季節や気分に合わせて手軽に雰囲気を変えることが可能になります。

2. 散らかった空間は、洗練された雰囲気を台無しにする

どんなに美しいインテリアで飾られていても、物が散乱している空間は、その魅力が半減してしまいます。高級感や清潔感、そして広々とした開放的な雰囲気は、整理整頓されたミニマルな状態から生まれます。富裕層の邸宅では、コーヒーテーブルやカウンター、棚の上には、厳選された数少ない上質なアイテムしか置かれていません。例えば、存在感のあるデザインの花瓶、洗練された彫刻風のオブジェ、あるいは丁寧に選ばれたアートブックなどが、計算された配置で飾られています。このような「厳選された少数精鋭」のアプローチは、空間にゆとりと洗練された印象を与え、視覚的な圧迫感を排除します。必要なものがすぐに手に入り、不要なものがない状態を保つことで、機能性と美観が両立した快適な居住空間が実現します。

3. 粗末な人工植物は、全体のイメージを損なう

空間に生命感や安らぎを与える植物は、インテリアの重要な要素です。しかし、どんなに洗練されたデザインの空間であっても、質感の劣る安価な人工観葉植物が置かれているだけで、その全体の印象は大きく損なわれてしまいます。リアルさに欠けるフェイクグリーンは、空間に偽物感を与え、高級感を台無しにする要因となります。住まいの格を上げるためには、本物の植物を取り入れるか、あるいは、遠目からは本物と見分けがつかないほど精巧に作られた高品質な人工植物を選ぶべきです。特に忙しいライフスタイルを送る方には、オリーブの木やカシワバゴムの木のように手入れが比較的簡単な本物の植物がおすすめです。人工植物を選ぶ場合でも、定期的に埃を払うなど清潔に保つことを忘れないようにしましょう。植物一つで空間の雰囲気は大きく変わるため、品質には妥協しないことが重要です。

真に高級感のある住まいを実現するためには、流行に流されず、散らかさず、そして細部にまで気を配ることが不可欠です。本記事でご紹介した「避けるべき3つの要素」を見直すことで、誰でも自身の住まいをより洗練された、心地よい空間へと変えることができるでしょう。これらの原則は、高価な家具を揃えることよりも、賢明な選択と継続的な配慮によって、あなたの生活空間の質を格段に向上させるはずです。

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/2ebe65a61f54e0266903412f623ced479a79d3d1