チョッちゃん再評価と『あんぱん』比較:朝ドラが描く“戦時と再生”

現在再放送中の連続テレビ小説『チョッちゃん』(NHK)が、視聴者から再評価の声を集めています。約40年前のドラマで古さも感じるものの、その普遍的な魅力は現代にも通じると絶賛。現在『あんぱん』が第112作、一方『チョッちゃん』は第38作として1987年のバブル期初期に放送されました。当時の日本が浮かれていた中、ドラマは慎ましくも豊かで自由な生活を描き、人々の心に深く響きました。

『チョッちゃん』:黒柳徹子の母が経験した戦時下の物語

『チョッちゃん』は、黒柳徹子の母・朝の自伝が原作。主人公・北山蝶子(古村比呂)が東京でバイオリニスト・岩崎要と結婚し、子育てに奮闘します。長女・加津子(黒柳徹子モデル)は自由奔放で教師を困らせるほど。やがて、黒柳さんが学んだ理想の学び場「トモエ学園」(ドラマでは杉山学園)への転入が決まります。しかし、これを境にドラマは戦争の時代へと突入。蝶子たちは忍耐を強いられながらも、明るく前向きに生きていきます。

連続テレビ小説『チョッちゃん』で主人公の北山蝶子を演じた古村比呂さん連続テレビ小説『チョッちゃん』で主人公の北山蝶子を演じた古村比呂さん

『あんぱん』と共通する朝ドラ「戦争」と「再生」のテーマ

現在の『あんぱん』では、戦争終結後、失われた文化を取り戻そうとする物語が描かれます。主人公のぶの夫・嵩(北村匠海)は、やなせたかし氏がモデル。歌や漫画、アニメといったヒット作を手掛け、『アンパンマン』誕生への期待も高まるでしょう。『チョッちゃん』同様、終盤に戦争時代を配置し、終戦後の希望を描くのは朝ドラの常道です。『ごちそうさん』(2013年度後期)もこのテーマを反映した一例。困難を乗り越え、明るい未来へ繋げる朝ドラの普遍的なテーマがここにあります。

『チョッちゃん』驚異的な高視聴率が示す人気背景

『チョッちゃん』は本放送当時、初回36.8%、平均38.0%、最高46.7%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)という好成績を記録。この人気は明確です。厳しい戦時下で、慎ましくも自由を尊び、明るく前向きに生きる蝶子たちの姿は、当時の視聴者に強い共感と希望を与えました。バブル景気中だからこそ、このドラマが描く「普遍的な人間の強さ」と「希望へのメッセージ」が、世相と対比され、より深く人々の心に響いたと考えられます。

時代を超えて響く『チョッちゃん』の普遍的メッセージ

『チョッちゃん』の再評価は、懐かしさだけでなく、その普遍的なメッセージが現代にも響いている証です。厳しい時代を明るく生き抜き、希望に満ちた日本の再生を描いたこの名作は、過去の教訓を学び、未来への展望を考える上で、今改めて鑑賞する価値のある作品です。朝ドラの歴史において、その物語は今後も語り継がれるでしょう。

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