特殊詐欺の現金受け取り役の「受け子」と共謀、平成29年に静岡県の70代女性から現金200万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた男性被告(30)に、名古屋地裁が「詐欺を共謀し、実行したと認められない」として無罪判決(求刑懲役3年6月)を言い渡していたことが10日、分かった。
公判で検察側は、被告が、受け子の男(23)=懲役3年、執行猶予5年の有罪判決が確定=との「連絡役を担い、重要な役割を果たした」と主張していた。西沢恵理裁判官は判決理由で、被告は、受け子の男の詐欺への関与を認識する一方、現金受け取りの現場には同行せず、直接男の動きを把握できない立場だったなどとして「関与の度合いは不十分で重要な役割と評価できない。共謀の意思を推認するには合理的疑いが残る」と判断した。判決は9日付。被告は29年11月、受け子の男らと共謀し、静岡県湖西市の女性から現金200万円をだまし取ったとして、今年4月に起訴された。