【老後資金の真実】65歳以上で貯蓄4000万円超の割合と年金平均額、安泰への道筋

高齢化が急速に進む日本社会において、老後の生活資金に対する不安は多くの人々にとって共通の課題です。総務省の調査によると、2024年9月15日現在の65歳以上の人口は過去最多を更新し、総人口に占める割合は約30%に達しました。このような背景から、「いくら貯蓄があれば老後は安泰なのか」という疑問は尽きることがありません。本記事では、公的なデータに基づき、65歳以上の世帯が保有する貯蓄の現状、特に「貯蓄4000万円以上」の強者たちがどのくらいの割合を占めるのかを詳しく解説します。さらに、老後生活を支える重要な要素である老齢年金の平均額も紹介し、皆様の老後設計の一助となる情報を提供します。

65歳以上世帯の貯蓄状況:平均値と「2000万円問題」の実態

総務省の家計調査報告(2024年)によると、65歳以上の2人以上世帯における貯蓄額の平均は「2509万円」に上ります。この平均値だけを見ると、多くの世帯が「老後2000万円問題」をクリアしているように感じられるかもしれません。しかし、平均値は一部の高額な資産を持つ富裕層によって引き上げられる傾向があるため、実態を正確に反映しているとは限りません。

より実態に近い中央値を見ると、65歳以上の2人以上世帯の貯蓄額は「1658万円」です。これは、全世帯の半数以上が1658万円以下の貯蓄しか持っていないことを意味します。さらに、貯蓄額が500万円以下の世帯も20%以上を占めており、高齢者世帯間の貯蓄格差が鮮明に見て取れます。

この貯蓄分布の中で、特に注目すべきは「貯蓄4000万円以上」の世帯が全体の約20%を占めている点です。これらの上位層は、老後の生活において比較的安心感を得ていると言えるでしょう。しかし、残り80%の世帯がそれぞれ異なる貯蓄状況にあることを考えると、一概に「平均貯蓄額が高いから大丈夫」とは言えないのが現状です。

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老後生活を支える公的年金の平均支給額

老後の生活を支える柱は、貯蓄に加えて公的年金です。老齢年金の支給額は、会社員などが加入する厚生年金受給者と、自営業者などで老齢基礎年金のみを受給する国民年金受給者とで大きく異なります。

厚生労働省のデータによると、老齢年金の平均支給額は以下の通りです。

●厚生年金受給者

  • 男性: 16万6606円
  • 女性: 10万7200円
  • 男女計: 14万6429円

●国民年金受給者

  • 男性: 5万9965円
  • 女性: 5万5777円
  • 男女計: 5万7584円

厚生年金受給者については、男性と女性の間で平均受給額に大きな差が見られます。これは、主に現役時代の賃金水準や働き方の違いが反映されているためと考えられます。

老後資金への備えと今後の展望

本記事では、65歳以上世帯の貯蓄状況と老齢年金の平均額について、具体的なデータを用いて解説しました。平均貯蓄額が高く見える一方で、中央値や貯蓄分布からは大きな格差が存在し、特に「貯蓄4000万円以上」の世帯が一部に限られている実態が明らかになりました。

老後の生活設計を考える上で、自身の貯蓄額や年金受給額を正確に把握し、それに見合った生活プランを立てることが不可欠です。本記事で提供された情報が、皆様が自身の老後資金に対する理解を深め、より安心して将来を迎えるための具体的な行動を検討するきっかけとなれば幸いです。

Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/a90db69927062dde3bf41981dfca9688a08f5e68