実業家の西村博之氏、通称「ひろゆき」さんが、2025年8月10日に報道された広陵高校(広島)の甲子園出場辞退に対し、自身のX(旧Twitter)で疑問を呈しました。部内での暴力事案が報じられたことによるこの決定は、社会全体で「連帯責任」のあり方について議論を巻き起こしています。
広陵高校の甲子園辞退とひろゆき氏の法治主義的見解
大会本部は8月10日、公式サイトを通じて広陵高校からの出場辞退申し出を受理したことを発表しました。「このような事態になったことは大変残念ですが、学校のご判断を受け入れました」とコメントしています。同日、堀正和校長は兵庫県西宮市内で取材に応じ、騒動について謝罪するとともに辞退を決定した旨を報告。生徒および職員の名誉と安全保護に努める姿勢を示しました。
こうした状況を受け、ひろゆき氏は自身のXアカウントで「刑法では悪事を指示した人と悪事に加担した人に責任が発生する。悪事に関与してない人まで、同じ組織に所属しただけで責任を取らされる仕組みは、法治主義の観点からも間違ってる」と持論を展開しました。さらに、「正しく生きて来たひとも罰を受けるなら、正しく生きた人だけ損する。どうせ罰せられるなら悪事をした方が得となる」と述べ、この種の連帯責任に対する疑問を投げかけました。
Xで持論を述べる実業家ひろゆき(西村博之)氏
「連帯責任」を巡るネット上の議論
ひろゆき氏が具体的な内容に触れていないものの、「広陵のですかね?真面目にやってきた人が損をしてますね」というリプライに対し、「そんなんすよねー」と共感を示す一幕もありました。「両方損しているのでは」との疑問には、「例えば、恐喝をしてお金を取ったとします。恐喝をした人としなかった人が同じ罰を受けます。結果として、悪事をした人はお金が残る分を得します」と自身の主張を補足しました。
ひろゆき氏のこの発言には、ネットユーザーから様々な反応が寄せられています。「ホントですね…悪事を働いていない方まで出場停止…」「親と子 上司と部下 組織とメンバー どこまで責任を持つ必要があるのか」など、彼の意見に同意し、連帯責任の範囲に疑問を呈する声が多く見られました。
一方で、「でもチームってそんなもん。一人のエラーで負けるんだから。足を引っ張る人間は必ず出て来る」「誰か一人がポカしたら負けるスポーツなんだから 連帯責任はある種合理的とも言えるけど」といった反論も上がっています。これらは、野球のような団体競技においては、個人のミスが全体に影響を及ぼすため、ある程度の連帯責任は避けられないという見方を示しています。
その他にも、「スポーツの現場においてパワハラ・セクハラを第三者がジャッジする仕組みが必要。学校という身内では公正なジャッジはできない」「みんなに迷惑がかかるから、っていうのが抑止的に働けばいいけどそうじゃない場合地獄すぎる」など、学校や組織内での問題解決の仕組みや、抑止力としての連帯責任の有効性に関する多様な意見が交わされました。
まとめ
広陵高校の甲子園辞退は、部内暴力という深刻な問題に加え、「連帯責任」という社会的なテーマについて深く考えさせるきっかけとなりました。ひろゆき氏が提起した「正しく生きた人が損をする」という視点、そしてそれに対するネット上での賛否両論は、現代社会における個人の責任と組織全体の責任のバランス、さらには公正なジャッジメントの必要性について、今後の議論を促すものとなるでしょう。
参考資料
- J-CASTニュース: ひろゆき氏、広陵高校の甲子園辞退に「正しく生きた人だけ損」と持論
- Yahoo!ニュース: 広陵高校の甲子園出場辞退について報じる記事