突然の世界的大バズり:日本人OL・SAOが語る、Xフォロワー35万人超えの舞台裏

現代のデジタル社会において、個人のSNSアカウントが突如として世界的な注目を集める「バズり」現象は、もはや珍しいことではありません。しかし、その渦中に飛び込んだとき、人生はどのように変化するのでしょうか?今回、本サイトはまさにその経験をしている日本人OL、SAOこと荒木佐保里氏に話を聞く機会を得ました。会社員として働きながら、モデルや女優としても活動する彼女に訪れた転機は、X(旧Twitter)で海外ユーザーが引用した投稿が大きな反響を呼んだこと。わずか1週間でフォロワーが30万人を超えるという驚異的な伸びを見せました。この予期せぬ世界的ブレイクの背景、そして「バズった後」に見える新たな景色について、詳細を掘り下げていきます。

SAOとは?:突然のバズり体験

インタビューは、SAO氏がXで「バズり」始めてからちょうど2週間が経過した時点で行われました。彼女のXフォロワーは既に35万人を突破し、その反響は未だに続いています。バズりの発端は、2週間前の7月25日に彼女が投稿したあるポストでした。当初は1000程度の「いいね」だったものが、瞬く間に国内外へと拡散し、現在では26万以上の「いいね」と8000万インプレッションを記録する、桁違いの伸びを見せています。

SAO氏によると、国内でのバズりから海外への広がりは急速でした。7月28日の深夜、海外の友人から「あなたの投稿がバズっている」とのメッセージが届き、翌日の昼ごろには彼女の画像が海外でミーム化され始め、そこから「いいね」とフォロワー数が爆発的に増加していったと言います。具体的な数字としては、投稿翌日には5~6万いいね、2日後には10万いいね、4日後には20万いいねに達したとのことです。

荒木佐保里氏は現在、週5日で会社員として勤務しながら、フリーランスで広告モデルや俳優業を兼業しています。大学卒業後、一度アイドルになるために会社を退職し、2025年2月末までアイドル活動をしていましたが、その後再び会社員に戻ったというユニークな経歴の持ち主です。Xアカウントは高校生の頃から開設していましたが、ほとんど動かしておらず、バズる前はフォロワーが300人程度でした。コロナ禍を機にSNSでの発信を本格化させ、インフルエンサー活動も始めたといいます。

今回のバズりのきっかけとなった投稿画像は、1年前に企業広告モデルとして撮影した際のオフショットでした。彼女自身の実際のOL姿ではなく、あくまでモデルとしての「OLのイメージ」を表現した写真だったと説明しています。

日本人OLとして世界中で注目を集める荒木佐保里(SAO)氏。彼女のXでの「バズり」が大きな話題に。日本人OLとして世界中で注目を集める荒木佐保里(SAO)氏。彼女のXでの「バズり」が大きな話題に。

イーロン・マスクも注目?:まるでパラレルワールド

今回の世界的なバズりについて、SAO氏は率直な感想として「まったく実感がない」と語っています。数字が驚異的であることは認識しつつも、街中で声をかけられたり、勤め先の同僚に気づかれたりすることがないため、「パラレルワールドの出来事のよう」に感じているそうです。しかし、友人からは「さおりんが流れてきたよ」といったメッセージが続々と届き、徐々に自身の身に起こっていることの大きさを感じ始めています。

多くの人がバズった際に懸念する「アンチコメント」については、SAO氏のもとに届くリプライのほとんどが外国語であるため、翻訳しなければ内容が分からず、ポジティブなものだけを拾って読んでいると明かしました。この状況が、精神的な負担を軽減する上で「非常にラッキーだった」と振り返っています。

今回のバズりを引き起こした投稿は、1枚の画像と「おはよう」というシンプルなテキストの組み合わせでした。SAO氏によれば、アイドル時代から「おはよう」投稿はほぼ毎日続けており、ファンからは「おはようbot」と呼ばれるほどだったそうです。このスタイルを続けていた理由として、早朝の投稿は通勤・通学時間帯のユーザーに見てもらいやすく、「いいね」がつきやすいことを挙げました。また、朝から長い文章を読むのは大変なため、「おはよう」という挨拶だけにすることで、ユーザーも気軽に挨拶を返しやすいという意図があったといいます。

その後、SAO氏のポストがさらに拡散した要因の一つに、ハリウッド女優との比較画像が挙げられます。当初は戸惑いを覚えたものの、70%もの支持率で比較されていること自体に驚きを感じたとのこと。そして、これは彼女自身というよりも「日本人女性が支持されている」という発見につながったと分析しています。日本のアニメやドラマの影響もあり、「日本人OL」という存在が世界的にポジティブなイメージで捉えられていることが、今回のバズりにおいて非常に有利に働いた可能性があると語りました。実際に、広告モデル時の写真であったことも、「ザ・OL」というフォーマルな格好がミーム的なアイコンとして受け入れられた要因かもしれません。

さらに、過去にインターネットで話題になった「可愛すぎるカフェ店員」との比較画像も投稿され、反響を呼びました。これについてSAO氏は、「ミーム化された代表同士」として取り上げられたのではないかと推測しています。

そして、投稿からわずか6日後、ついにXのオーナーであるイーロン・マスク氏にも取り上げられました。直接SAO氏に言及したものではなく、彼女の画像を使ったGrokの機能に触れる形でしたが、2億人以上のフォロワーを持つイーロン・マスク氏に拡散されたことは、SAO氏にとって「異世界の話のよう」な驚きと喜びだったと語っています。

世界でバズった後の「SNSの景色」と未来

SAO氏の投稿に対するコメントは英語圏のユーザーが多いように見えますが、実際には圧倒的にアメリカのユーザーが多いわけではないといいます。アメリカのユーザーが15~6%を占めるものの、次いでメキシコや東南アジアのユーザーからも反応があり、全体では60カ国から約1%ずつのユーザーが反応しているとのこと。まさに世界各国に満遍なく「バズり」が波及している状態です。

今回のバズり以降、様々な著名人からのフォローが増えたことも驚きだったそうです。特に印象的だったのは、人気YouTuberのヒカキン氏からのフォローでした。あまりに多くのフォロワーが増えたため、友人に教えられないと誰がフォローしてくれたのか気づけないほどだといいます。

Xだけでなく、他のSNSにも大きな反響がありました。Xでバズった翌日に同じ画像をInstagramに投稿したところ、1000万ビューを記録し、フォロワーも20万人ほど増加しました。TikTokでは再生数が増加した一方で、いくつかの「なりすましアカウント」が出現するという事態も発生しました。SAO氏は、なりすましアカウントの方が「バズらせるのが上手い」と感じた時期もあったと苦笑します。特に、SAO氏のXがピークでバズっていた時期に、なりすましアカウントが20件以上も動画を投稿していたのを見て、「私もそのタイミングで上げていればよかった!」と悔やんだそうです。この経験から、SAO氏自身もTikTokの運用に力を入れ始め、1日に3回以上の投稿を心がけるようになりました。

バズった直後の投稿については、SAO氏自身も「一番悩んだ」と明かしています。「次に投稿したものがバズらなかったら怖い」というプレッシャーから、写真選びに30分も時間をかけたそうです。しかし、その後の投稿も予想以上にバズってくれたため、「もう何を投稿しても大丈夫かも」と自信がつき、SNSへの恐怖はなくなったといいます。現在では、とにかく「盛れている」写真を積極的に投稿しているとのことです。今や、1万いいねに届かない投稿があると「ちょっとヤバいかも」と感じるまでになり、今回のバズりを機に、SNSの精度を上げ続ける必要性を強く感じています。

今後の活動スタイルについては、現在勤務している会社が芸能活動との両立に理解を示してくれているため、これまで通り会社員として働きながら芸能活動を続けていく意向です。元々アメリカに半年間留学していた経験もあり、海外に強い関心を持っているSAO氏。今回の世界的なバズりを受けて海外からの取材も増え始めていることから、将来的には海外での仕事にも挑戦していきたいという強い意欲を示しました。「可能性があれば、色々なことにチャレンジしていきたい」と語る彼女の、今後の多角的な活躍に期待が高まります。