韓国、化粧品分野で初の「世界先導国」に:K-ビューティーの躍進と国際競争の現状

韓国は、世界の化粧品分野において初めて「リーディングカントリー(先導国)」の首位に選出されました。この画期的な成果は、韓国保健産業振興院(KHIDI)が実施した「2024年 韓国医療サービス海外認知度調査」によって明らかになったものです。2021年に開始されたこの調査で、化粧品分野がトップに立つのは今回が初めてとなります。

化粧品分野での韓国の躍進と日本の位置づけ

調査結果によると、韓国は米国やフランスといった従来の強豪国を抑え、化粧品分野の評価で堂々の1位を獲得しました。前年の3位から2段階の大幅な上昇を見せた形です。2位には日本が入り、その後をフランス、米国、英国、ドイツが追随しています。保健産業振興院のハン・ドンウ国際医療本部長は、この躍進について「コロナ禍を経て世界的に化粧品需要が急増したことに加え、韓流文化の影響が相まって、韓国製化粧品への関心が一層高まった」と分析しています。K-ビューティーの影響力が国際市場で顕著に現れていることを示唆する結果です。

K-ビューティーの躍進を象徴する韓国コスメの使用風景K-ビューティーの躍進を象徴する韓国コスメの使用風景

医薬品・医療サービス分野の現状と課題

一方で、医薬品分野では前年と同じく韓国は6位にとどまりました。同分野では米国が1位、ドイツが2位を維持し、日本は前年より2段階上昇して3位となっています。医療機器分野では韓国は1ランクダウンの6位、医療サービス分野でも1つ順位を下げて5位となりました。このように、化粧品分野での目覚ましい成長とは対照的に、他の医療関連分野では順位が停滞あるいはわずかに低下する傾向が見られます。2023年に韓国国内で治療を受けた外国人患者数は約117万人と初めて100万人を突破したものの、先導国としての総合的な認知度においてはわずかな後退が見られました。

まとめ

今回の調査結果は、韓国が化粧品分野で世界的なリーダーシップを確立したことを明確に示しています。K-ビューティーは、ポストコロナにおける美容市場の拡大と韓流ブームの相乗効果により、国際的な競争力を大きく高めました。しかし、医薬品や医療サービス、医療機器といった他の保健産業分野では、国際的な認知度や競争力に課題が残されていることも浮き彫りになりました。韓国が保健産業全体で真の「先導国」としての地位を確立するには、化粧品以外の分野においても国際的なプレゼンスを強化していくことが今後の重要な課題となるでしょう。


参考文献

  • 韓国保健産業振興院(KHIDI)「2024年 韓国医療サービス海外認知度調査」
  • KOREA WAVE/AFPBB News