タレント活動にとどまらず、多岐にわたるビジネスを手掛ける実業家としても知られるボビー・オロゴン氏。彼のユニークなキャリアパスの根底には、日本との運命的な出会い、そして幼少期に培われた独自の「投資教育」があった。今回は、彼の価値観と仕事観を形成した決定的な出来事と、起業家精神に満ちた父親から受けた英才教育について掘り下げる。彼の言葉から、日本での成功とビジネスへの洞察を探る。
日本への運命的な出会い:置き忘れの「数百万」が結んだ縁
貿易商である父親のビジネスを手伝うため、世界各国を飛び回っていた若き日のボビー・オロゴン氏。父親からはかねてより日本の魅力について聞かされていたが、約30年前に初めて日本を訪れた際に、彼はこの国に深く魅了される決定的な出来事を経験する。
「ある日、疲れてバスの中にバッグを置き忘れてしまったんです。バスが走り去った後で、もうパニックでした。だって、バッグの中には父から買い付けのために預かっていた数百万円が入っていたんですから。本当に絶望的な気持ちになりましたね。ところが驚くべきことに、そのお金がすぐに、しかも1円も減ることなく戻ってきたんですよ!信じられますか?他の国では絶対に考えられないこと。日本はまさに天国だと感じましたよ(笑)」
この出来事をきっかけに、彼は日本への本格的な滞在を決意する。しかし、ビジネスの師でもある父親は当初、この決断に反対したという。
「父は、日本にいたら自分の頭を他の人のために使うことになるのではないかと心配したんです。要するに、ただのサラリーマンになってしまうのではないかと。もちろんサラリーマンになることも悪いことではありませんが、父は根っからの起業家です。ビジネスは世界を救うものだというくらい壮大な考えを持っていましたから、自分の頭を使って自分でビジネスをしなければ意味がない、と考えていたのだと思います」
3歳で芽生えた投資の才:ハムスターから始まった「英才教育」
ボビー・オロゴン氏が日本を訪れたのはビジネスのためだったが、彼が実際に投資を始めたのは、驚くことに幼少期に遡る。そのきっかけは、3歳というごく幼い頃にあったという。
「今考えると3歳ぐらいでしたね(笑)。僕の兄貴が本当にやんちゃで、僕のご飯を勝手に食べちゃうし、貯金していたお小遣いも油断すると全部使われちゃう。そこで、お金を手元に残さないように、ハムスターに換えたんです。オスとメスで買ったんですが、その後子どもを産んで、それが売れたんですよ。お金で何かを買って、それがお金を生む。まさに人生で初めての投資成功体験でした」
この幼い頃の経験を通じて、ボビー少年は、確実かつ安全な方法で利益を生み出す術を実践的に学んでいった。物を生む価値、お金を生む価値という起業家精神の基礎が、この時期に培われたのだ。
「うさぎも買いましたね。ハムスターよりも多産だから、もっと利益率が高いんです。その後もどんどんグレードアップして、ニワトリやヤギ、牛も購入していきました。ただ、鶏は学校から帰ってきたらお母さんが鍋の材料にしちゃったことがあって、ちょっと悲しい気持ちになりましたけどね(笑)」
実業家として成功を収めたボビー・オロゴン氏のポートレート
ボビー・オロゴン氏の日本での活躍の背景には、このような幼い頃からの実業家としての英才教育と、日本という国への深い信頼があったことがわかる。彼の独自の視点とビジネス哲学は、経験から裏打ちされたものであり、多くの人々に示唆を与えている。
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