韓国「光復節」80周年意識調査:若年層で認識低下、日本製品・旅行への見方も世代間で差異

2025年8月15日は、韓国が日本の植民地支配から解放されたことを記念する「光復節」の80周年を迎えます。この重要な節目に先立ち実施されたあるアンケート調査では、光復節に対する認知度やその重要性への認識が、世代によって顕著な差を示していることが明らかになりました。

データコンサルティング企業PMIが全国の19歳以上の成人男女1000人を対象に実施した「2025年光復節認識」調査の結果は、韓国社会における歴史認識の多様な側面を浮き彫りにしています。

光復節の認知度と世代間のギャップ

光復節の意味、日付、そして主要な活動をすべて把握していると回答したのは、全体の82.4%でした。しかし、年齢別の内訳を見ると、その認識度には大きな隔たりがあることが見て取れます。

最も高い認知度を示したのは60代で92.5%に達しましたが、20代は77.7%、30代は72.4%にとどまり、全体平均を下回りました。この結果は、若年層において光復節に対する認識が比較的低い傾向にあることを明確に示唆しています。

光復節の重要性への認識

光復節を「重要である」と認識している割合は全体で87.8%でしたが、ここでも年齢が若いほどその認識が低下する傾向が見られました。60代では95.2%と非常に高かった一方で、20代では77.3%と最も低い数値を示し、世代間の歴史的祝日に対する意識の差が浮き彫りになりました。

韓国の光復節を象徴する旗と記念碑のイメージ。光復節80周年を前にした意識調査の背景を示す。韓国の光復節を象徴する旗と記念碑のイメージ。光復節80周年を前にした意識調査の背景を示す。

愛国マーケティングと日本製品消費の動向

企業やブランドによる光復節関連の愛国マーケティングに関しては、回答者の80.7%が肯定的に評価し、19.7%がこうしたキャンペーンに積極的に参加していると答えました。これは、依然として多くの人々が愛国心を基盤とした消費活動に前向きであることを示しています。

一方で、光復節の期間中に日本ブランドやキャラクター製品を消費することについては、43.6%が「消費を控える、または避ける」と回答したのに対し、23.7%は「影響はない」と答えました。世代別に見ると、40代(48.4%)が消費を控えるという意見が最も多く、20代(36.8%)が最も少ない結果となり、日本製品に対する消費行動においても世代間の意識差が確認されました。

光復節連休中の日本旅行に関する見解

光復節の連休中に日本へ旅行することについては、「時期として適切ではない」という回答が29.8%で最も多く、歴史的意味合いを考慮する傾向が見られました。一方、「個人の自由であり問題ない」という回答も19.2%あり、PMIはこの結果を「歴史的な意味と個人の旅行選択権が衝突していることを示している」と分析しています。その他、「社会的に敏感になりうる」が29.2%、「特に考えたことがない」が9.5%でした。

光復節連休の過ごし方

光復節の連休の予定については、「家で休む」が58.4%と最も多く、次いで「特別な予定はない」(16.4%)、「家族・知人との集まり」(12.3%)が続きました。「仕事をする」という回答は10.2%で、「国内旅行」(9.6%)や「光復節行事への参加」(5.7%)よりも多いことが特筆すべき点です。これは、祝日であっても仕事を選ぶ人が一定数存在し、必ずしも祝日関連のイベントに参加するわけではない、という現代社会の傾向を反映していると言えるでしょう。

結論

今回の「2025年光復節認識」調査は、韓国の若年層における光復節への認識が他の世代と比較して低下している現状を明らかにしました。これは、歴史教育や社会的な関心のあり方、そして日本に対する意識が世代間で多様化している可能性を示唆しています。愛国マーケティングへの肯定的な評価と日本製品・旅行に対する複雑な感情は、現代韓国社会の多層的な側面を映し出しています。これらの世代間のギャップは、今後の韓国社会の歴史認識や対日関係を考える上で重要な視点となるでしょう。


情報源: