かつて「日銀を打ち負かした男」と言われた時期があるアメリカのベッセント財務長官ですが、「日銀はビハインド・ザ・カーブに陥っている」と明言。米国の財務長官が日銀の金融政策に言及するのは極めて異例なことですがその真意は何なのか?FRBの金融政策、中国との通商交渉、米ロ首脳会談、そして米雇用統計を管轄する労働統計局のトップ後任についても激白したブルームバーグによる独占インタビューです。
【写真を見る】「日銀は後手に回っている」「利上げをし、インフレを抑制する必要がある」米ベッセント財務長官が異例の発言【独占インタビュー全文】
■“NVIDIAモデル”を「拡大しない手はない」
Q: 今週出てきた話題でぜひお話を伺いたいものがあります。NVIDIAを巡る新たな合意です。これは誰が思いついたのでしょうか?
(※NVIDIAとAMDは中国へのAI半導体販売による収入の15%を米政府に支払うことで合意)
ベッセント財務長官:トランプ大統領です。大統領は私が知る中で最も考え方が柔軟な人物です。この非常にユニークな解決策によりNVIDIAは中国に進出できます。NVIDIAのチップは中国のテクノロジーの先行指標となり 米国の納税者がその分け前を得るのです。
Q: この合意はNVIDIAやAMDだけに当てはまることなのでしょうか?それとも他の企業にも広がるモデルですか?
ベッセント財務長官:将来的には他の産業でもあり得ると思います。現時点ではユニークなものですが、このモデルと試用テストができたのですから拡大しない手はないでしょう。
Q:輸出許可とひきかえに 国家安全保障上の懸念に値段をつけるとの声もありますが、どう反論しますか?
ベッセント財務長官:まず国家安全保障上の懸念はありません。先進的なチップは一切売りません。H20は 4・5・6段階も下のレベルのものです。ファーウェイが「デジタル一帯一路」を持つことを私たちは望んでいません。世界の、あるいは中国国内の標準が中国製になってほしくありません。
Q:私たちの独自報道によると 北京が企業に対しH20ではなく国内製品を使うよう通達した模様です。この件についてカウンターパートと協議する予定はありますか?