2025年8月も半ばに入り、テレビ業界では秋の番組改編に向けた動きが活発化しています。特に注目されるのは、ダウンタウン・松本人志さん(61)の地上波テレビ復帰が依然として難しいと見られている現状です。松本さんの活動再開は、吉本興業が今秋の開始を目指しているという独自のプラットフォーム「ダウンタウンチャンネル(仮)」が現実的とされており、テレビ界における彼の不在は長期化の様相を呈しています。
人気番組で共演する有吉弘行とマツコ・デラックス。高視聴率を維持する二人の牽引力が現在のテレビ業界を象徴。
2024年1月に松本さんが芸能活動を休止してから1年7か月が経過し、長年続いたコンビの冠番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ・日本テレビ系)も6月26日をもって終了しました。30年以上にわたりお笑い界の頂点に君臨してきた松本さんと浜田雅功さん(62)が並び立つ姿がテレビで見られなくなって久しい今、地上波テレビ界では「誰が番組の視聴率を牽引しているのか」という議論が活発になっています。令和も7年を迎えましたが、トップクラスのタレントの顔ぶれに大きな変化は見られないものの、特定のタレントが際立った存在感を示しています。
松本人志不在後のテレビ業界動向と新たな潮流
松本人志さんの不在が続く中で、テレビ業界の勢力図には微妙な変化が見られます。最近の台頭組としては、今年4月に冠番組『千鳥かまいたちゴールデンアワー』(日本テレビ系)がゴールデン帯に昇格した「かまいたち」が挙げられます。また、『ダウンタウンDX』の後継番組『見取り図の間取り図ミステリー』(読売テレビ・日本テレビ系)に出演する「見取り図」、5月に「かまいたち」との番組『ニューかまー』(TBS系)がスタートした「ニューヨーク」も、これからの活躍が期待される若手タレントとして注目されています。
令和のテレビを牽引する”コア視聴率の王者”たち
テレビ各局が特に重視する13〜49歳の個人視聴率、いわゆる「コア視聴率」において、複数の高視聴率番組を抱え、「数字を持っているタレント」の代表格といえば、有吉弘行さん(51)です。テレビ業界では「相変わらず強い」と評されています。有吉さんは『有吉ゼミ』、『有吉の壁』(ともに日本テレビ系)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)など、ゴールデン帯に多くのレギュラー番組を持っています。例えば、8月4日放送の『有吉ゼミ』2時間スペシャルでは、ギャル曽根さん(39)と最強力士軍団による大食い対決が繰り広げられ、コア視聴率は4.9%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、同時間帯で断トツのトップでした。また、7月30日の『有吉の壁』2時間スペシャルも5.5%と高い数値を記録し、『かりそめ天国』も3%近くのコア視聴率を常に確保しています。番組の企画に恵まれていることもありますが、有吉さん自身の鋭いツッコミや安定した面白さ、そして番組を回す重鎮感が、視聴者を惹きつけている要因です。
その『かりそめ天国』で有吉さんと共演しているマツコ・デラックスさん(52)もまた、「数字を持っているタレント」の筆頭に挙げられます。マツコさんとSUPER EIGHTの村上信五さん(43)がMCを務める『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)は、3月24日放送分において中国人女性の発言を意図的に“捏造”したと指摘され、BPO(放送倫理・番組向上機構)による審議入りとなる問題が発生しました。しかし、問題が指摘されたにもかかわらず、その人気は健在です。8月4日の放送回ではコア視聴率が5.2%を記録し、22時台の番組としては異例の高水準を維持しています。『マツコの知らない世界』(TBS系)も相変わらず好調で、8月5日の放送ではコア視聴率5.1%を記録しました。
有吉さん、マツコさんと同じく、複数の番組で高視聴率を維持しているのが、バナナマンの設楽統さん(52)と日村勇紀さん(53)です。特に『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)は、小学生やティーン層を中心に高い支持を得ており、幅広い世代からの人気を集めています。
まとめ:盤石な人気を誇るベテランと若手の台頭
松本人志さんの地上波テレビからの不在が続く中、現在のテレビ業界では有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、そしてバナナマンといったベテラン勢が、その盤石な人気と安定した視聴率で業界を牽引しています。彼らは長年にわたる経験と独自のキャラクターで、視聴者の確固たる支持を得ています。一方で、かまいたち、見取り図、ニューヨークといった若手・中堅芸人たちも着実に実力をつけ、ゴールデン帯進出や新番組開始などで存在感を増しており、今後のテレビ業界の勢力図にどのような影響を与えるか、引き続き注目が集まります。
参考文献
- ビデオリサーチ調べ、関東地区
- Yahoo!ニュース(ピンズバNEWS)