東京ドームで女性が「ぶつかりおじさん」被害、転倒し頭部負傷──警察へ通報、弁護士と協議中

今年7月、東京ドームで開催された大規模なライブイベントの終了直後、会場を出た女性が「ぶつかりおじさん」から不意の暴力を受け、転倒し頭部を負傷する事件が発生しました。この女性は後方から来た見知らぬ男性に突き飛ばされ、全治2週間の怪我を負い、現在も頭部への後遺症が懸念されています。現場では周囲にいた女性たちが男性を取り押さえ、警察官が駆けつける事態に発展しました。被害に遭った女性Aさんへの取材に基づき、詳細をお伝えします。

ライブ終了直後、不意の衝撃

事件はライブの終演直後、約4万人が来場し混雑する中、「規制退場」がおこなわれていた最中に発生しました。Aさんは娘や友人と共に、ゲートから駅へと向かう人の流れに沿って歩いていました。周囲は女性ファンが多数を占めており、その流れに安心して進んでいたといいます。

その時、Aさんの左肩の後ろに強い衝撃が走りました。振り返ると、そこに立っていたのは40代から50代の見知らぬ男性でした。Aさんが状況を把握する間もなく、その男性はさらに強い力でAさんの肩にぶつかってきました。故意であると感じたAさんが思わず押し返したところ、男性は舌打ちをした後、左側から思い切りAさんを突き飛ばしました。

Aさんは、貴重品が入ったショルダーバッグとライブグッズの大きなトートバッグを両肩にかけていたため、とっさに手をつくことができず、その場に強く倒れ込みました。この転倒により、Aさんは頭や肩、首などに強い衝撃を受け、診断の結果、全治2週間の怪我を負うこととなりました。

イベントで混雑する東京ドームの外観イベントで混雑する東京ドームの外観

周囲の迅速な救護と警察の介入

Aさんが転倒し負傷した現場は騒然となり、周囲にいた複数の女性たちがすぐに駆け寄りました。「頭を打っているので動かないでくださいね」「お名前言えますか?」と声をかけ、Aさんの救護にあたりました。

転倒に気づいたAさんの友人が、男性の腕を掴みましたが、男性はそれを振り払ってその場から逃走しようとしました。しかし、Aさんの娘や友人が男性を追いかけ、周囲の女性たちの協力も得て、その場で男性を取り押さえることに成功しました。

取り押さえられた男性はワイシャツ姿で、仕事帰りであったとみられます。男性はAさんに対し「ごめんね!ごめんね!大丈夫?」と繰り返し謝罪の言葉を口にしました。Aさんはその場で110番通報し、数人の警察官が駆けつけ、男性は警察署に連行されました。現在、Aさんはこの傷害事件について、弁護士と今後の対応、特に被害届の提出などについて協議を進めています。

この事件は、多数の人が集まる場所での「ぶつかりおじさん」による暴力行為の深刻な実態を浮き彫りにしています。安全なイベント環境を確保するため、こうした不当な行為に対しては厳正な対処が求められます。


参考文献:

  • 弁護士ドットコムニュース. 「「突然、強い衝撃を受けて転倒し、頭を打ちました」東京ドームで「ぶつかりおじさん」被害、女性が頭部負傷…その後の警察対応は?」 (元の記事へのリンク)