太平洋戦争終結から80年を迎えた8月15日、小泉進次郎農林水産相や高市早苗前経済安全保障担当相といった日本の有力な次期首相候補を含む複数の政治家が靖国神社を参拝しました。これに対し、韓国外交部は同日、「深い失望と遺憾」の意を表明し、日韓関係に新たな波紋を投げかけています。
韓国外交部、繰り返される参拝に強い懸念
韓国外交部は報道官声明を通じて、過去の侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀している靖国神社への日本の責任ある指導者級人物による供物奉納や参拝が繰り返されたことに、深い失望と遺憾の意を示しました。声明ではさらに、「韓国政府は日本の責任ある指導者たちに、歴史を直視し、過去の出来事に対する謙虚な省察と真の反省を行動で示すことを求める」と強調。これは、信頼に基づいた未来志向的な日韓関係を構築するための重要な土台であると改めて主張しています。
小泉氏ら主要政治家の参拝状況
小泉進次郎農林水産相は15日午前、東京の靖国神社を参拝後、記者会見で「不戦の誓い、国家のために命をささげた方に対する礼を忘れないことは重要だ」と述べました。石破内閣発足後、現職閣僚としては初の参拝となりますが、環境相を務めた2020年から2年連続の参拝です。小泉農林水産相は今月初めにはソウルを訪問し、韓国側に日本産水産物の輸入規制解除を要請したばかりでした。
小泉進次郎農林水産相が靖国神社を参拝する様子
また、同じく有力な首相候補として注目される右翼傾向の高市早苗前経済安全保障担当相も同日、靖国神社を参拝しました。
高市早苗前経済安全保障担当相が靖国神社に到着する姿
その他、小林鷹之元経済安全保障担当相、萩生田光一元自民党政調会長なども参拝に加わっています。超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属議員も団体で参拝しました。西村康稔元経済産業相は13日、森山裕自民党幹事長は14日にそれぞれ参拝を済ませています。一方、石破茂首相は参拝せず、玉串料を奉納する形を取りました。
靖国神社の歴史的背景
東京都千代田区に位置する靖国神社は、日本の侵略戦争や内戦で亡くなった人々の魂を合祀した施設です。ここには、極東国際軍事裁判(東京裁判)によって処刑された東條英機元首相ら、太平洋戦争におけるA級戦犯も合祀されており、これが近隣諸国、特に韓国や中国との間で歴史認識に関する外交問題となる主要な要因となっています。
結論
終戦80年の節目に際し、日本の主要政治家による靖国神社参拝は、韓国との間で依然として深く根ざす歴史問題の存在を改めて浮き彫りにしました。韓国政府の強い遺憾表明は、両国間の未来志向的な関係構築には、歴史に対する謙虚な向き合いと真摯な反省が不可欠であるという認識を示しています。この問題は、今後の日韓関係において引き続き重要な焦点となり続けるでしょう。