北海道・知床半島の斜里町と羅臼(らうす)町にまたがる羅臼岳(1660メートル)で登山中の20歳代男性がヒグマに襲われて死亡した事故を受け、林野庁などは16日、羅臼岳に通じる登山道や観光名所「知床五湖」につながる道路の臨時閉鎖を続けた。
道は山中で駆除されたクマ3頭が男性を襲った個体かどうかの特定を進めており、登山道は当面の間封鎖される見通しだ。
道立総合研究機構は15日、専門家2人を斜里町に派遣し、クマ3頭の試料採取を進めている。男性からも試料を採取し、DNA鑑定を行う。
羅臼岳は登山シーズンのピークを迎えている。これまでは野生動物との近さも魅力の一つだった。斜里町幹部は「今まで大きな事故がなかっただけに、衝撃は大きい」と話した。
アウトドアガイドの寺山元さん(59)は「観光などの管理を見直す段階に入ってきたと思う」と語った。