李在明大統領、光復節で在日・海外同胞に初の特別メッセージ:独立貢献称賛

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、第80周年を迎える光復節に際し、海外で暮らす同胞と在日コリアン(在日同胞)それぞれに向けて初の特別メッセージを発表しました。これは、植民地支配からの解放を記念する重要な節目において、歴史的貢献への深い感謝と、同胞の存在を忘れないという強い意志を示すものです。特に、日本における独立運動に献身した在日同胞の功績が具体的に言及され、その歴史が改めて称えられました。

在日同胞への特別メッセージとその歴史的意義

李在明大統領は「光復節に際した在日同胞への特別メッセージ」の中で、常に祖国への誇りを持ち、大韓民国の代表として生きる在日同胞に感謝の意を表明しました。在日同胞が苛酷な労働環境で筆舌に尽くしがたい苦痛を経験し、広島や長崎で悲惨な被害に遭いながらも、常に祖国を思い支援の手を差し伸べたことを強調。さらに、東京のYMCA講堂や日比谷公園、大阪天王寺公園など日本各地で、独立運動の火種を守り、大韓民国臨時政府を支えた情熱と献身があったからこそ、光を取り戻すことができたと述べました。このメッセージは、在日韓国人の苦難と献身の歴史を具体的に取り上げ、国としての特別な関心を示すものとして注目されます。

海外同胞全体への言及と大統領の強い意思

李大統領は海外同胞全体に対しても「光復節に際した海外同胞への特別メッセージ」を送り、独立運動の火種を守り臨時政府を支援した彼らの情熱と献身が光復を実現したと評価しました。そして、「常に誇り高く、信頼でき頼れる大韓民国を築くため、最善を尽くす」と誓いました。歴代大統領が光復節に際して海外同胞、特に在日同胞に向けた特別メッセージを別途発表するのは今回が初めての事例です。過去には、大統領の演説の中で海外同胞に言及される程度でした。李大統領が就任後、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領時代に廃止された大統領室の海外同胞担当官ポストを復活させたことからも、海外同胞への深い関心が伺えます。

専門家が評価するメッセージの重要性

この異例のメッセージは、各方面から高い評価を受けています。民族問題研究所のキム・ヨンファン対外協力室長は、近年、日本で極右政党である参政党が勢力を拡大し、在日同胞の存在が脅かされている状況がある中で、「国民任命式に海外同胞を多数招待し、このようなメッセージまで出したことは、彼らを後押しする非常に意味のあることだ」と述べました。また、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に大統領府の海外同胞担当官を務めた与党「共に民主党」のイ・ギホン議員は、「海外同胞の歴史を振り返ると、経済的な理由で祖国を離れる方が多い現在と異なり、過去には植民地支配への反対や独立運動など、歴史的な理由で故国を離れた方がほとんどだった」と指摘。光復80周年を迎え、彼らの子孫にメッセージを伝えることは極めて意義深いことであるとの見解を示しました。

光復節の演説で在日・海外同胞の貢献に言及する李在明大統領光復節の演説で在日・海外同胞の貢献に言及する李在明大統領

まとめ

李在明大統領が光復節に在日・海外同胞へ初の特別メッセージを発表したことは、単なる慣例にとどまらない、深い歴史的認識と感謝の表明です。このメッセージは、独立運動における在日同胞の具体的な苦難と貢献を再認識させ、「その歴史を永遠に忘れない」という国家の約束を明確にしました。また、尹錫悦前大統領政権下で廃止された海外同胞担当官ポストの復活と合わせ、李大統領が海外同胞問題に対し強い関心と支援の姿勢を持っていることを国内外に示唆しています。この動きは、日本における在日コリアンコミュニティの現状と、彼らの歴史的背景を理解する上で重要な意味を持つものと言えるでしょう。

参考文献