米国関税と経済指標が日韓株価に与える影響:日経平均は上昇、KOSPIは下落

最近、世界の主要株式市場は米国の経済政策や貿易政策の動向に大きく左右されています。特に日本と韓国の証券市場は、米国の半導体関税適用への懸念や生産者物価指数(PPI)の上昇、そして日米間の関税交渉の進展といった要因によって、対照的な動きを見せています。韓国総合株価指数(KOSPI)が調整局面にある一方で、日本の日経平均株価は好材料に支えられ、連日の史上最高値更新を記録しています。

KOSPI、米国半導体関税懸念とPPI上昇で下落

韓国のKOSPIは、3取引日ぶりに3170台に後退し、前取引日比1.50%安の3177.28で取引を終えました。これは、米国の半導体に対する関税適用への懸念が強く影響したとみられています。特に、サムスン電子が2.23%安の7万ウォン、SKハイニックスが3.25%安の26万7500ウォンと、主要半導体株が顕著な下落傾向を示しました。ドナルド・トランプ米大統領が半導体関税の適用を検討していると発言したことが、市場の不透明感を増幅させました。

さらに、米国の7月生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に上回る0.9%の上昇を見せたことも、証券市場の下落要因として分析されています。このPPIの上昇は、9月の金利引き下げの可能性を不透明にさせ、投資家の慎重姿勢を強める結果となりました。外国人投資家が約5400億ウォンを売り越す中、個人投資家と機関投資家が買い越しましたが、KOSDAQも外国人投資家と機関投資家の売り越しにより2.11%下落し、798.05で取引を終えました。

日経平均株価、日米貿易交渉とGDP成長で史上最高値更新

一方、日本の証券市場は顕著な上昇傾向を見せています。代表株価指数の日経平均株価は、前日比0.77%高の43714.31で取引を終え、終値基準で史上最高値を更新しました。日経平均は先週も3回にわたり最高記録を塗り替えており、市場の好調が続いています。

この上昇の背景には、米国が日本を欧州連合(EU)と同様に相互関税の負担軽減対象に追加することを約束したことが挙げられます。これにより投資家の心理が肯定的に作用したと考えられます。また、日本政府が15日に発表した第2四半期国内総生産(GDP)の予備値が、直前の四半期比1.0%成長と、エコノミストの予想値(0.37%)を大きく上回ったことも好材料となりました。テシン証券のムン・ナムジュン研究員は、「日本の証券市場が(米国の)関税とGDPという好材料に反応している」とし、第2四半期GDPが「日米間の貿易交渉の不確実性で市場の不安が続いたにもかかわらず、予想より堅調だった」ことが、日本経済への楽観的心理を反映して株価を押し上げていると分析しています。

年初来パフォーマンス:KOSPIが日経平均を上回る成長率

短期的な市場の動きは対照的でしたが、年初来の上昇率を比較すると、韓国KOSPIのパフォーマンスが日本日経平均株価を上回っています。日経平均株価の今年の上昇率が11.21%である一方、KOSPIの上昇率は32.45%となっており、長期的な視点ではKOSPIがより高い成長を遂げていることが分かります。

まとめ

今回の市場動向は、米国の貿易政策や金融政策、そして各国の経済指標が、グローバルな証券市場に与える影響の大きさを改めて浮き彫りにしました。半導体関税の懸念と金利政策の不透明感が韓国KOSPIに下落圧力をかける一方で、日米間の関税合意と好調な国内総生産(GDP)成長が日本の日経平均株価を史上最高値へと押し上げました。しかし、年初来の成長率で見ると、KOSPIが日経平均を上回る結果となっており、市場の短期的な動きと長期的なトレンドを多角的に分析することの重要性を示しています。今後の米国の政策動向と日韓両国の経済指標が、それぞれの証券市場にどのような影響を与えるか、引き続き注目されます。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/dc5572d3c0d24806ebb92469e01c8150b22ed46b