米アラスカでのトランプ大統領とプーチン・ロシア大統領の会談後、プーチン大統領がウクライナと欧州諸国に対し、自らの「重要な進展」を「妨害」しないよう警告したことは、西側同盟を分断しようとする典型的な試みと捉えられました。これに対し、欧州の指導者たちは迅速かつ歴史的な対応を見せ、18日にホワイトハウスで会合を開催。これは、第二次世界大戦終結時の同盟国による偉大な会合を想起させるほど感動的なものでした。欧州首脳がワシントンへ急行したのは、北大西洋条約機構(NATO)に対するトランプ氏の再三の批判から、彼の信念が揺らぐのではないかという懸念を強めたためです。
西側諸国本来の姿と欧州首脳の結束
このホワイトハウスでの会合こそが、西側諸国のあるべき姿を体現していました。トランプ大統領から発言を求められた欧州各国の首脳は、それぞれ異なる問題に焦点を当てながらも、明確な結束を示しました。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、トランプ大統領が提案したプーチン氏とゼレンスキー・ウクライナ大統領との三者会談には、欧州のための四つ目の席が必要であると主張。ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、プーチン氏が拒否する停戦を求め、トランプ大統領もこれを容認しました。また、英国のキア・スターマー首相は、NATOの相互防衛条項をモデルとしたウクライナへの安全保障の重要性を強調しました。
ホワイトハウスで写真撮影に応じるトランプ米大統領、ゼレンスキー・ウクライナ大統領、欧州首脳陣。西側同盟の結束を示す重要な会合の一幕。
リベラル中道派のマクロン大統領から、保守派ポピュリストのジョルジャ・メローニ・イタリア首相に至るまで、幅広いイデオロギーを持つ指導者たちの結束は目覚ましいものがありました。欧州連合(EU)を離脱した英国も、海を隔てたパートナー諸国と確固たる連携を見せ、各国首脳は万全の準備を整え、多様な国家連合では稀に見る相乗効果を発揮しました。彼らは、トランプ大統領が和平努力において最も踏み込んだ行動をとったと称賛しつつ、プーチン大統領が望むような平和ではなく、真に公正な平和のために、ともすれば流されやすいトランプ大統領が長期的に関与し続けるための政治的・感情的な基盤を構築しようと努めていました。
今後の課題とプーチンの注視
これらの努力は、ロシアとウクライナの間に存在する多くの相容れない相違点を解消するものではないでしょう。しかし、欧州首脳陣がホワイトハウスで示したこの揺るぎない結束と、公正な平和への明確な意思表示は、プーチン大統領が間違いなく注視していたはずです。西側同盟が分断の試みに対し、歴史的な連携で応じたことは、今後の国際政治において重要な意味を持つことになります。