台風12号「レンレン」九州接近へ:線状降水帯発生の恐れと海面水温の影響

本日午前9時、九州の西方海上にあった熱帯低気圧が台風12号「レンレン」へと発達しました。現在、その中心は鹿児島県薩摩川内市の西方海上をゆっくりと北東へ進んでおり、九州地方には風速15メートル以上の強風域がかかっています。明日(金)には九州に上陸する可能性があり、厳重な警戒が必要です。

台風12号「レンレン」の現在の状況と進路予想

この台風12号の接近に伴い、湿った空気が流れ込む影響で、鹿児島県(奄美地方を除く)では本日夕方から明日夕方にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急速に高まる恐れがあります。すでに21日朝の時点で、鹿児島県には土砂災害警戒情報が発令されており、命に関わる土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況です。住民の皆様は、自治体の避難情報に注意し、早めの行動を心がけてください。

九州へ接近し、線状降水帯の発生が懸念される台風12号「レンレン」の衛星画像九州へ接近し、線状降水帯の発生が懸念される台風12号「レンレン」の衛星画像

異例の発達と海面水温の密接な関係

今回の台風12号の発達は、当初の予想とは異なる経緯を辿りました。18日(月)には台風への発達が予測されていましたが、その後、発達しない見込みへと変更。しかし、本日になって再び台風へと発達しました。その主な原因の一つが「海面水温」です。東シナ海だけでなく広範囲で27℃以上の高い海面水温が観測されており、これが台風のエネルギー源となる暖かく湿った空気を供給し、熱帯低気圧の急速な発達を促したとみられます。

地球温暖化がもたらす日本近海での台風発生リスク

台風12号は明日22日(金)には熱帯低気圧に変わる見込みですが、地球温暖化の影響で海水温が高いエリアが北上しており、日本近海で台風が発生し、その後すぐに上陸するというケースが増える傾向にあります。10月までの台風シーズン中は、今後も気象情報をこまめに入手し、備えを怠らないよう強く推奨します。


参考文献