韓国、外国人土地取引許可区域を拡大指定:ソウル・首都圏で住宅購入に事前許可義務化

韓国国土交通部は、ソウル全域および首都圏の広範囲を「外国人土地取引許可区域」に指定すると発表しました。これにより、今後外国人がこれらの地域で住宅を購入する際には、韓国政府の事前許可が必須となります。政府は、海外資金流入による外国人投機取引の増加懸念に対処するため、購入後の実質居住義務や資金源の明確化を厳格に求めていく方針です。

指定区域と期間

今回「外国人土地取引許可区域」に指定されたのは、ソウル市全域、仁川市内の7自治区、そして京畿道の23市郡にわたる広範囲です。指定期間は2024年8月26日から2026年8月25日までの1年間で、今後の市場状況に応じて延長が検討されます。

規制導入の背景と目的

国土交通部によると、2022年以降、外国人の首都圏における住宅取引が継続的に増加傾向にあり、特に6月27日に発表された住宅担保ローン規制と相まって、海外からの資金調達を通じた外国人の投機取引が増加する懸念が高まっています。この背景から、不動産投機を防止し、健全な市場を維持することを目的として、今回の外国人土地取引許可区域の指定に踏み切ったと説明しています。

外国人への新たな取得要件

今後、許可区域内で外国人が住宅(オフィステルを除く)を取得する際は、必ず市郡区庁に事前許可を申請しなければなりません。許可なく締結された住宅取得契約は無効とされ、法的効力を持ちません。許可を得て住宅を購入した外国人に対しては、4カ月以内の入居と2年間の実質居住が義務付けられます。これにより、首都圏内での「チョンセ(伝貰:高額の保証金を預け、月々の家賃が発生しない賃貸方式)」を通じた収益目的の不動産取得は事実上全面禁止されます。国土部関係者は、これは外国人の取得を完全に禁止するものではなく、実際に居住するのであれば、書類作成のわずかな手間だけで許可を得て住宅を取得できると強調しました。

外国人土地取引許可区域に指定されたソウル市全域と仁川、京畿の大部分地域。外国人が住宅を購入する際には、韓国政府の事前許可が義務付けられます。外国人土地取引許可区域に指定されたソウル市全域と仁川、京畿の大部分地域。外国人が住宅を購入する際には、韓国政府の事前許可が義務付けられます。

厳格化される事後管理と罰則

韓国政府は、外国人の住宅取引に対する現場調査を強化し、事後管理を徹底する方針です。居住義務を遵守しない外国人に対しては、住宅取得価額の10%以内での履行強制金が繰り返し賦課されるだけでなく、許可の取り消しなどの処分を受ける可能性もあります。さらに、現在は投機過熱地域の住宅取引にのみ適用されている資金調達計画書などの提出義務が、今年末からはこの外国人土地取引許可区域にも拡大適用されることになります。海外で売買代金の一部を調達してきた外国人の場合、資金調達計画書に海外金融機関名や借入金額など、海外資金の出所を明確に開示することが求められます。

国際法上の正当性

国土交通部関係者は、国際法においても外国人を対象とした自国土地の所有権に対する規制を施行する権限が各国に認められていると説明しました。実際に、一部の国では外国人の土地所有を全面的に禁止したり、厳しく制限したりする政策が実施されています。

今回の措置は、過熱する韓国首都圏の不動産市場における外国人の投機行為を抑制し、実需に基づく住宅購入を促すことを目的としたものです。今後、外国人の住宅購入意欲や市場動向にどのような影響を与えるか注目されます。


参考文献