[オタワ/ワシントン 22日 ロイター] – カナダのカーニー首相は22日、米国製品に対する報復関税の多くを撤廃すると表明した。米国製の自動車、鉄鋼、アルミニウムに対する関税は当面維持するとしつつも、両国の新たな貿易および安全保障関係を築くために米国との連携を強化すると言明した。
決定は9月1日に発効する。
カーニー首相は記者会見で、米国の動きに追随し、米・メキシコ・カナダの貿易協定(USMCA)の対象となる米製品に対する関税を全て撤廃すると発表し、「カナダと米国は、両国の製品の大部分について自由貿易を再開した」と述べた。
他の貿易相手国と比較すると、カナダの輸出品に対する米国の関税は依然として全体的に低い水準にとどまっていると改めて強調し、カナダの優位性を維持するためにあらゆる努力をすることが重要とも強調した。
USMCAの見直しが正式に始まる前に、戦略的分野に適用される協定を米国と締結することは可能という認識を示したものの、両国が今秋に新たな経済・安全保障協定を締結できるかどうかという質問に対しては「どうなるか見てみよう」と応じるにとどめた。
トランプ米大統領はカナダの発表を歓迎するとし、近くカーニー首相と電話会談を行う予定だと述べた。また「私は彼が好きだ。われわれはカナダにとってよい国でありたい」とも語った。
ホワイトハウスも、カーニー首相の発表を歓迎。米当局者は「貿易や国家安全保障に関する懸念を巡るカナダとの協議継続に期待する」と述べた。